日本冷凍食品協会 新会長に味の素・藤江会長 「価値に見合った価格を」

日本冷凍食品協会は5月21日、役員改選で大櫛顕也会長(ニチレイ社長)が相談役に就き、新会長に味の素社の藤江太郎会長が就任した。

記者会見の席上、藤江新会長は「国内の冷凍食品市場は順調に推移しており、今後も成長していく可能性が高い。その中で冷凍食品はもっと価値に見合った価格で提供していく必要がある」との考えを強調した。その理由を自社での事例を挙げて説明。「当社グループの冷凍餃子は海外でもよく売れているが、欧米での価格は日本の約3倍だ。失われた30年を解決するには適正なインフレの継続が不可欠。それを購買力向上のための賃金アップなどにつなげ、業界として景気の好循環に貢献できるよう取り組みたい」などと話した。

市場状況は「家庭用商品は個食化や高齢化の進展、単身世帯の増加、女性の社会進出などライフスタイルの変化が追い風で、時短や簡便のニーズに応えていける。業務用商品は外食、中食など各チャネルで調理現場の人手不足が需要増につながっている」とコメント。

当面の見通しについて「何が起こるか分からないことだけは分かっている世の中」とした上で、「だからこそ冷凍食品業界に携わる方々がいち早く最先端の情報をキャッチすることが重要。各社のリーダーが一歩でも早くスピードを上げて対応できるようにしていきたい」とした。また協会で注力している「食の安全・安心」や「物流の効率化」など非競争領域の取り組みを強化していきたい考えも示した。

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