テーブルマークは、2023年1月に「BEYOND FREE(ビヨンドフリー)」ブランドを立ち上げ、植物素材でおいしさにこだわった冷凍食品(ベーカリー、デザート、主食、おかずなど)を豊富にラインアップする。
約2年にわたり自社のオンラインショップ中心に展開してきたが、25年春から業務用市場に向けた販売をスタート。インバウンド消費が活性化する中、ベジタリアンやヴィーガンへの対応が求められており、戦略本部BEYOND FREE推進室の武田淳一室長は「ホテル向けや外食向けを中心に手応えを得ている」と話す。
「BEYOND FREE」は、同社が掲げるパーパス「食事をうれしく、食卓をたのしく。」の具現化を目指す一環。「アレルゲン不使用(=Allergy Friendly)」「動物性原材料不使用(=Plant Based)」などで食に対する多様な価値観に対応しながら、本格的なおいしさにもこだわっている。

業務用市場向けには、植物由来の原材料でつくったおかず、トッピングに使える素材、デザートなどを展開。注目はこだわり素材の「おからこんにゃく」を使ったメニューの数々だ。動物性原材料を不使用でもジューシーな「おにゃくから揚げ」、シンプルな味付けの「おにゃくカツ」、さらに「植物生まれのチョコタルト」までラインアップする。消費者への試食アンケートでは、「おにゃくから揚げ」は実に93・3%が「おいしい」と評価した。
武田室長は「豆乳を搾る際の副産物であるおからと、伝統食であるこんにゃくを組み合わせた日本ならではのフードテック」と自信をのぞかせる。
素材として脂質・プリン体ゼロの「植物生まれの明太風ペースト」、プリン体75%オフの「植物生まれの雲丹風ペースト」も提案。おにぎり・寿司の具やパスタ、スープの味付けなどに好適だ。
市販ルートは自社のオンラインショップ「BEYOND FREE」を中心に、昨年からECモール「Amazon」にも出店。ブランド開始2年目の24年は注文件数が前年比370%と伸長した。スイーツの「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」シリーズやベーカリーの「玄米ブレッド」シリーズなどが売れ筋。25年2月には「BEYOND FREEラーメン」を新発売。植物性でありながら満足感のある本格派のスープに仕上げた。「醤油」「味噌」「とんこつ風」「担々麺」の4品で選べる楽しさを提供する。
今後に向け、武田室長は「マーケットは成長途上にあり、現状はあらゆる可能性を探りながらトライ&エラーを繰り返している。今後は食に制約のない方にも届くように訴求していきたい。健康志向に応える商品開発やプロモーションも強化していければ」とする。
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