「大阪万博はスタート地点」 植物性チーズの拡販に意欲 六甲バター

六甲バターは、チーズ好きのための植物性「Q・B・B PLANT MADE」ブランド発信の場として、4月13日から開催する大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン内に「QBB これもいいキッチン」を出店する。このほど開催した戦略説明会で中尾真範マーケティング本部事業開発部長は「万博はスタート地点。出店を拡販の契機にどれだけ活用できるかだ」と述べ、同社の植物性チーズの認知・販路拡大に意欲を示した。

今回、動物性食品に並ぶほどのおいしさや驚きを同社の植物性チーズを使った多彩なメニューで伝える。提供するのは「祇園 さゝ木」の佐々木浩シェフが監修した「これもオムキーマカレー」「大阪新名物 これも串カツ」「ミルチーパフェ」など、いずれも動物性素材を一切使わないオール植物性メニューだ。

Q・B・B Pシュレッドのびーるタイプ150g
Q・B・B Pシュレッドのびーるタイプ150g

23年に家庭用第1弾として発売した「Q・B・B Pシュレッド150g」は、植物性素材の中でもコクが出やすいアーモンドを使用し、チェダーチーズのようなコクと満足感、とろりとした食感が特長。3月1日から新発売した「同 のびーるタイプ150g」は、チーズのような糸引く伸びとミルキーな味わいが楽しめる。いずれもヴィーガン認証、プラントベース食品認証、ムスリムフレンドリーの推奨マークを取得し、パッケージでも分かりやすく伝えている。

現状の動きについて中尾氏は「導入状況や昨年実績は決して満足いくものではない。食品全般が値上げするなか、米などに比べ嗜好性の高いチーズは優先度が低く、安い商品から順に選ばれる傾向がある」と説明。植物性に対するイメージも課題とし、「おいしくなさそうという思い込みや、昔食べておいしくなかった負の経験がなかなか払拭できず苦戦している」。

一方で、ポジティブな傾向として、業務用がインバウンド需要で伸長していることを挙げる。「業務用は確かに動き始めている。25年度は家庭用もしっかりと取り組むが、特に業務用に注力する。インバウンドで消費が集まりやすいエリアや業態に重点的に取り組む」と力を込める。万博の手応え次第では、代替肉や卵などさらなる事業領域拡大も検討していく考え。

株式会社アピ 植物性素材