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東日本大震災から14年 コンビニ、防災対策を始動 当面はローリングストック啓発

東日本大震災が発生してから3月11日で14年が経った。昨年は能登半島地震と南海トラフ地震臨時情報により、生活者に危機意識が高まり、防災食需要は記録的な出荷量に達した。だが、食の防災対策の要となる、多めに買って食べたら買い足す「ローリングストック」は、認知度は高いものの実施率は低い。その背景には流通対応の遅れがあるようだ。

日本フランチャイズチェーン協会(JFA)に加盟するコンビニ7社(セイコーマート、セブン―イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ポプラ、デイリーヤマザキ)は、今春からローリングストックの啓発活動を開始。各社が連携し、SNS(X)や専用サイトで情報発信などを始めた。店舗ではポスターやレジ画面、店内放送など共通ツールを通して啓発し、国や自治体等との連携も検討している。

JFAは3年前に「大規模災害対応共同研究会」を立ち上げ、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震を想定し、被災地への物流を継続する手段などを検討。24年1月の能登半島地震での経験も踏まえ、大規模地震が発生した場合には、地域によっては支援物資が3日以上届かない可能性があるため、個々の備蓄を促すローリングストックの啓発を決めた。

実際にローリングストック実施率は遅れており、その背景には流通対応の遅れがあるとも言われてきた。店により異なるが、大方のスーパーの防災フェアなどのイベントは、東日本大震災が発生した3月11日前後と、9月1日「防災の日」を含む1週間の2回に限られる。この期間はパックごはんやアルファ米、乾パン、ゼリー飲料、缶詰、レトルトカレーなど防災食を集中展示。店頭ではローリングストックを啓発してきた。

だが防災フェアが終わると一般売場に戻る。個人向けの防災需要がネット販売にとられているのもこのためだ。ホームセンターでは、春秋の催事期以外に日常雑貨売場で防災コーナーを常設しているが、実施店舗は限られ本格展開には至っていない。

今回のコンビニ7社の動きは、当面はローリングストックの情報発信にとどまるが、スーパーやホームセンターなど流通各社の刺激になることは間違いない。生活インフラの一つとして定着しているコンビニに、災害発生時に地域の支援を担う機能もあることが知れわたることも大きい。

公共交通機関が止まれば帰宅困難者が多数発生する。コンビニと自治体の間では帰宅困難者支援協定が結ばれており、「災害時帰宅支援ステーション」として、水道水やトイレ、道路情報の提供などの支援を行うことが自治体との間で決まっており、社会的インフラ機能も大きい。

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