5.6 C
Tokyo
1.9 C
Osaka
2025 / 12 / 16 火曜日
ログイン
English
加工食品菓子ちょっとしたモヤモヤに対応して「ミンティア」完全復活 2025年販売目標は過去最高の238.5億円を計画

ちょっとしたモヤモヤに対応して「ミンティア」完全復活 2025年販売目標は過去最高の238.5億円を計画

 アサヒグループ食品の錠菓「ミンティア」がコロナ禍の“どん底時代”乗り越え完全復活した。

 2023年から販売が大きく上向き、24年は前年比25%増の226億円。ピークを迎えた2019年の238億円が射程圏内に入り、今年、コロナ禍以前を上回る過去最高の238.5億円を計画する。

 食を通じた社会課題の解決に向けて“多刀流”と称しBtoBとBtoCで事業を多角的に展開している中で「ミンティア」を柱の1つと位置づける。 

 2月28日、発表会に臨んだ川原浩社長は「事業それぞれが研ぎ澄まされて安定した事業体になることに価値はあるが、共通軸は健康にある。メンタルを含めた健康に貢献していく。例えば『ミンティア』は本当に大変なストレスではなく、 “ちょっとしたモヤモヤ”を解決できる」と語る。

川原浩社長
川原浩社長

 “ちょっとしたモヤモヤ”とは、マイクロストレスとも言われ、“ラップの端が見つからない”や“パソコンがフリーズしてしまった”といった類となる。

 引き続き生活者の心の健康に寄り添い成長を図るべく、「いい今日を、ポケットに。」と題する新コミュニケーションを展開。3月7日から浜野謙太さんを起用した新CMを放映する。

 新コミュニケーションの狙いについて、河口文彦コンシューマ事業本部マーケティング一部担当部長は「日常に本当に小さなモヤモヤが何個もある。『ミンティア』なら手軽に一粒で解消でき、それらが積み重なっていくと軽やかな気持ちになり、その結果、いい一日となることを伝えていきたい」と説明する。

新コミュニケーション「いい今日を、ポケットに。」
新コミュニケーション「いい今日を、ポケットに。」

 商品は小粒タイプのレギュラーシリーズに磨きをかける。
 「“ポケットに。”というフレーズで持ち運びに便利なことを訴求していく」との考えのもとパッケージデザインを刷新した。

 小粒4品それぞれに新キャッチコピーを設け、“〇〇を、ポケットに。”の〇〇の部分に「ワイルド&クール」では“自由”「コールドスマッシュ」では“創造”「ドライハード」では“情熱”「カテキンミント」では“自信”のワードを表記した。

 「各ワードは、お客様から喫食後の気持ちを何度もヒアリングして選ばせていただいた。目覚めるといった機能的な訴求ではお客様が離れてしまい、情緒的な価値までご理解いただけると買い続けて下さることが分かったため、このようなコピーにさせていただいた」と述べる。

ちょっとしたモヤモヤの一例
ちょっとしたモヤモヤの一例

 話題化の施策も予想される。

 川原社長は復活劇の一因に話題化を挙げる。「『ミンティア』は必需品ではないため、コロナ禍で喫食しなくなった方が、人流回復した後も戻らなかった。もがき苦しんだことも含め本当にいろいろなことをして話題作りしたことで“『ミンティア』あったな”と言っていただき、もう一度食べていただけるようになった」と振り返る。

 同社は2015年、旧・アサヒフードアンドヘルスケア・旧・和光堂・旧・天野実業の3社が統合して誕生。今年で設立10周年の節目を迎える。

 今後について川原社長は「社会課題の解決に貢献できるビールグループの会社というのは非常に魅力的な立ち位置。引き続き、多刀流の強みを活かししつ、大きく伸ばせるところ伸ばしていく」と意欲を示す。

 なお前期(12月期)業績は、売上収益が前年比1%増の1346億円、事業利益が2%増の129億円。2016年以降、売上収益は右肩上がりとなり、事業利益と事業利益率も右肩上がりであったが、コロナ禍で一度落ち込み、21年以降再び上昇基調にある。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。