16 C
Tokyo
14.4 C
Osaka
2025 / 11 / 03 月曜日
English
流通・飲食小売生協の価値を再訴求 発信強化、若年層獲得へ
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

生協の価値を再訴求 発信強化、若年層獲得へ

日本生活協同組合連合会は2025年度、生協の総合力や商品価値を改めて伝える情報発信を強化する。利用人数に課題のある宅配事業は、各生協のSNSアカウントを活用した情報発信や、宅配生協のお試しサイト「TRY CO・OP」で若年層の日常利用につなげる。店舗は「推しコープ」などのプロモーションに注力し、個々の商品価値を改めて訴求する。

全国44生協の24年4~11月度宅配事業は、受注高前年比1.2%増、利用単価2.5%増、利用人数1.3%減、利用点数1.6%減。11月までの月別利用人数の推移はいずれの月も前年割れで、引き続き利用人数獲得が課題となった。商品ではミールキットをはじめとした即食商品が好調だった。

25年度も宅配事業の成長に向けて「宅配リノベーション」を推進していく。ここでは大きく「コスト構造の見直し」「若年層獲得」を掲げる。AIによる発注最適化、宅配センターの標準化で事業効率を向上させるとともに、若年層に向けては「お母さんが利用する」生協のイメージを自分ゴトに捉え直してもらうため、アニメーション動画を制作し、各生協のSNSで発信する。「全国に400を超える生協のSNSアカウントがあり、フォロワーは計約80万人いる。各生協をベースにデジタルの口コミで広がりをつくる」(藤井喜継代表理事事業担当専務)。

店舗は、供給高2.1%増、利用単価1.9%増、利用人数0.3%増。節約志向を背景に利用点数は1.3%減だった。新店リニューアル効果や、「キッズデー」開催、スマホ教室など購買事業以外を行う「MoreCoop」など、地域に寄り添った取り組みも奏功。「くらし応援全国キャンペーン」と題し24年9~11月まで対象のコープ商品約180品を通常価格よりも1割安く提供した企画は、前年よりも冷食などを拡充し、供給高と購入点数いずれも二ケタ伸長するなど手応えを得た。

コープ商品のうち最も好調だったのは冷食で、有名店監修のラーメンも伸長していることから「節約疲れや贅沢ニーズもある」(同)と捉えている。水産品は手軽なミールキットやオールインワン商品、日配品は大袋タイプのチーズなど好コスパ商品が好評だった。

25年度は個々の商品の価値訴求を一層高めるべく、全国の組合員がすすめるコープ商品を集めた「推しコープ全国キャンペーン」を展開する。3月1~24日まで約65商品で「人気投票企画」を行い、届いた「推しの声」を商品の訴求ポイントやイメージ画像として活用する。商品開発はエシカル商品を中心に行うほか、プチ贅沢ニーズの高まりを受けて、発売10周年の「コープクオリティ」シリーズのブラッシュアップを図る。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点