8.9 C
Tokyo
13.3 C
Osaka
2025 / 12 / 08 月曜日
ログイン
English
その他SDGs花プランターで復興に貢献 中学校の取り組みに特別賞 食環協・環境美化教育

花プランターで復興に貢献 中学校の取り組みに特別賞 食環協・環境美化教育

小・中学校を表彰する「環境美化教育優良校等表彰事業」(主催:公益社団法人食品容器環境美化協会、略称・食環協)。25回の節目を迎えた今年度、最優秀校に選出された学校紹介特集の最終回は、特別賞 協会会長賞を受賞した和歌山県田辺市立本宮中学校だ。「第25回環境美化教育優良校等表彰式」は1月31日、浅草ビューホテル(東京都台東区)で開催された。

世界遺産学習でおもてなし精神発揮

日本古来の祈りの文化が息づく熊野本宮。緑濃い山々の間には幾筋もの川が流れており、たびたび氾濫を繰り返してきた。2011年に発生した紀伊半島大水害では町が甚大な被害を受けた。元気がなくなった地域を少しでも明るくしたいと立ち上がったのが同校の中学生たちだ。当時の生徒は、季節の花を植えたプランターを町の目抜き通りや施設などの目立つところに設置。住民の家にも配り続ける生徒の姿は地域の励みとなり徐々に明るさを取り戻した。

住民の羽根千惠子さんは「水害の時に、中学生が花のプランターをたくさん置いてくれたんです。『頑張ってください』というその一言がすごく励みになりました」と振り返る。

それから10年以上が経過し「復興」を果たした現在は、国内外から訪れる観光客に向けた「おもてなし」の活動へと深化。道端のポイ捨てごみを回収しながらたくさんのプランターの花でおもてなしする精神は、世界遺産を2つ抱える環境を生かした世界遺産学習でも発揮される。

世界遺産の一つ、「熊野古道」では、損傷が著しい個所を修復する「道普請(みちぶしん)」を実施。階段状に木枠を設けたり、土を補充したりと慣れない大変な作業だが、住民の協力を得て生徒は観光客に安全に歩いてもらおうと、裏方として支えている。

外国人観光客に地域の魅力を英語で発信
外国人観光客に地域の魅力を英語で発信

同時に、自分たちの町の魅力をアピールするために地域の顔として「語り部」にも挑戦。増えている海外観光客とは英語で交流しながら、語り部学習で学んだことを広く発信している。

真砂(まなご)ひめのさん(中1)は、「海外から来た観光客の方々にインタビューをして心に残っていることは、自分たちの住む地域を褒めてもらい、それがとてもうれしかったことです。慣れない英語の会話で苦労もしましたが、観光地だからこそできることなので良かったと思います」と手ごたえを実感する。

かつて被災した町を花で元気づけた生徒の思いを受け継ぎながら、ふるさとへの誇りを胸に刻んでいる。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。