きなくさい世の中

ドナルド・トランプ氏が1月20日、第47代大統領に就任した。選挙中、狙撃されるも一命をとりとめ、銃弾が耳を貫通し血を流しながらも力強く右手を挙げた。盟友の安部晋三元首相は街頭演説中に凶弾に倒れた。日本の近現代は、政治家への暴力から日中戦争や太平洋戦争に突入した。そう考えると、きなくさい感じがする。

▼1932年5月15日、海軍将校の一団が満州国の承認に反対していた犬養毅首相を暗殺した五・一五事件で政党政治は終わり軍人が政治に干渉するようになる。1936年2月26日には、陸軍の青年将校が高橋是清蔵相らを殺傷した二・二六事件が勃発。これを鎮圧した軍部の政治への発言力が強まり軍国主義が台頭する。

▼戦後、このように軍部が暴走した反省から自衛隊のシビリアンコントロール(文民統制)が大原則となる。憲法では自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣や防衛大臣は「文民でなければならない」と定められる。

▼韓国ユン大統領は「非常戒厳」を宣言したが、軍はそれに従わなかったと聞く。様々な見解があるが、少なくとも文民統制的なものは機能していないようだ。

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