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小売CVS「セブンプレミアム」コンビニ×スーパーの知見でニーズ応える 「質の深掘りと幅の広さが強み」北村副本部長が語る
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

「セブンプレミアム」コンビニ×スーパーの知見でニーズ応える 「質の深掘りと幅の広さが強み」北村副本部長が語る

 「多様なお客様のニーズに応えるプライベートブランド(PB)『セブンプレミアム』シリーズの開発はコンビニとスーパー双方の知見があってこそ」と話すのはセブン&アイ・ホールディングスの北村成司グループ商品戦略本部副本部長。

 「おいしさなど質を深掘りするセブン-イレブン(コンビニ部門)の強みだけでなく、イトーヨーカドー、ヨークベニマルなど(スーパー部門)が持つ幅広いカテゴリーに対する知見も不可欠。両者が重なり合う部分を成熟化させ続けたからこそ、24年度は約3500アイテムまで拡大し、売上1・5兆円を視野に入れるまでに成長した」と強調する。

 「セブンプレミアム」はグループ初のオリジナルブランドとして、07年に49アイテムで産声を上げた。
 その後、安全・安心、おいしさ、プライスなどを基軸に商品力を磨き続けながらラインアップを拡充し、単身世帯の増加や女性の社会進出など社会構造の変化も追い風となり、いまや国内小売業で屈指のPBに成長した。

 その間、北村副本部長は様々な局面でコンビニとスーパーのシナジーが見られたと述懐する。
 
 「思い出深いのは『セブンプレミアム』の冷凍餃子をセブン-イレブンに初めて導入した時のこと。当時、コンビニに冷凍食品の売り場はごく一部しかなく、果たして売れるのか懐疑的な意見もあった。しかし実際に販売すると大ヒット。スーパー部門の幅広い知見がなければ踏み出せなかった」。
 いまではコンビニの中で冷凍食品はもっとも成長が期待されるカテゴリーの1つに位置付けられ、セブン-イレブンも注力する。

 一方、「セブンプレミアム」の年間売上ランキング(24年1~11月)でトップに君臨する「蒙古タンメン中本 辛旨味噌 122g」。こちらは価格以上の価値を追求するコンビニ、セブン-イレブンの真骨頂といえる。

 辛旨ラーメンの名店「蒙古タンメン中本」の監修を得て、「辛さの中に旨みあり」のやみつきになる一杯だ。
 北村副本部長は「よくコンビニでの売れ行きが話題になるが、実は当社グループのスーパーでもカップ麺カテゴリーの売上№1。スーパーのカップ麺売り場で税別240円は必ずしも安くないが、商品力の高さが多くの方に支持され売れ続けている」と明かす。

 セブン&アイグループは価値と価格のバランスを追求した「セブンプレミアム」を中心とした売り場作りに注力している。
 「質の深さ(コンビニ)と幅の広さ(スーパー)の知見を掛け合わせた商品開発力と、それを売り場でお客様に価値伝達する現場力こそがわれわれの強みだと考えている」と語る。

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