給油・揚げカス排出を自動化 油の消費抑制で注目のクールフライヤーが18L新型機

クールフライヤー(神奈川県横浜市)は、既存品に機能を加えた新型機「業務用自立型18Lフライヤー」を今月からリリースする。同機は、従来機(7L卓上機)の特徴に、<揚げカス除去(油槽内清掃)、給油(リザーブタンクからのポンプアップ機能)><作業後の油回収の自動化機能>を付加しており、調理現場の作業負荷を大幅に軽減することができる。
特許取得済の油水分離水冷構造を採用した既存品は、油の酸化抑制、油消費量削減、油ハネ防止、油臭抑制などをもつフライヤー。人件費を含めたコスト削減を実現するフライヤーとして中食、外食関係者から関心を集めており、導入企業が拡大している。

新型機は給油タンクを本体下部に設置した。油槽内の油と油カスの回収は、回収ボタンにより油温の低下を確認後、自動回収される。また低温油層底部からの回収と同時に、新しい油を同時給油できるので、作業中でも高温調理槽の温度を低下させることがない。

油槽内部の様子。低温油槽下部のコーナーから給油中 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
油槽内部の様子。低温油槽下部のコーナーから給油中

通常、作業中に油を継ぎ足せば油温が下がり揚げ物作業は難しいが、同機は油の酸化劣化を抑制するため低温油層に給油するので、高温調理領域(油槽ヒーターより上部)の油温は変化しない。原理的に給油中でも調理が可能となる。

「フライヤーの自動給油に関しては過去にもそのような発想はあった。しかし、作業中でも揚げカスの除去と油の入れ替えを同時に自動化できるという発想(特許申請中)は、油槽下部に低温油層を有する同機のような構造でしか実現できない。」(同社社長 山田澄人氏)

日本惣菜協会は、経産省の本年度事業「令和6年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」の代表幹事として採択された。人手不足の深刻な食品製造現場では、今後自動化、無人化、非接触化が急速に進むものと想定されている。業務用フライヤーの油の給油・入れ替え・回収と揚げカス排出を自動化させた同機の新たな機能が揚げ物製造現場の作業負荷軽減と安全性向上に寄与することが期待される。

同機は現在「テンポスぐるなび江戸川店」(東京都江戸川区南葛西)にてデモ体験可(クールフライヤー社に事前申込が必要)。同店にて購入相談も受け付けている。