コンビニ大手3社の25年2月期第2四半期業績(単体)は下表の通り。ローソンは3社で唯一、増収増益を達成した。セブン-イレブン・ジャパンは増収減益、ファミリーマートは主に直営店減少による直営店売上高の減少とシステム関連の先行投資が影響し減収減益だった。
既存店売上高は、ファミリーマートとローソンが前年超えで客数・客単価ともに上回った。セブン-イレブン・ジャパンはわずかに及ばず、客数減が最大の課題となった。
第2四半期決算説明会で、ローソンの竹増貞信社長は上期の手応えについて「団体戦で長期戦の商売のなかで、短期的に何かが当たったこともあるかもしれないが、やはりお客様の変化に合わせた既存店投資や商品開発やマーケティング施策など、小売業の基礎基本を高いレベルで続ける努力がある程度評価いただけた結果だ」など振り返った。
2年半継続してきた「ハピろー!」施策は、消費者の節約意識を捉えた増量企画など値ごろ感ある施策に加え、リアル店舗に訪れることでしか得られないワクワク感など楽しい店舗作りが来店客増につながった。
一方、客数改善を最大課題と捉えるのがセブン-イレブン・ジャパンだ。
永松文彦社長は「2020年から23年にかけてコロナから回復したにもかかわらず、約30年続いたデフレからインフレになりお客様の生活防衛意識が高まっていることと、お客様にとってセブン-イレブンの価格は高いというイメージが出来上がったことの2点が客数減の大きな要因」と分析する。
これに対応すべく、9月から「うれしい値!宣言」と銘打ち、低価格帯の弁当やオリジナルフレッシュフードなど約270アイテムを展開している。「マーケット価格と比較しても十分に競争力のある商品。単に安いだけではなく、確かな品質を手頃価格で提供している」とし、新たなポイント還元サービスの取り組みとあわせて新規顧客の取り込みと既存顧客の来店頻度向上につなげる。
ファミリーマートは、既存店日販が36か月連続で前年を超えた。「生しっとりパン」「クリスピーチキン」などのヒット商品に加え、PB「ファミマル」でも利益率が高い食品カテゴリーが伸長した。子会社であるゲートワンの広告メディア事業の大幅な伸長も店舗の活性化につながった。
細見研介社長は「ここ3年間推し進めてきたリテールメディア戦略は、4~5年前は誰も振り向いてくれなかったが、いまや当社がこの世界を牽引している。ゲートワンの広告主の約6割はファミリーマートに配荷している以外のお客様で、食品以外の業界。一般の業界にも当社のリテールメディアの価値認知が進み始めている」と手応えを示した。
店舗数の大幅な減少については「ここ数年店舗ネットワークの再編成を考えてきた。店舗数にこだわりがあった時期もあるようだが、悪いところは閉めて新たな店舗ネットワークを上書きしていく方がよいという考えのもと昨年から積極的に閉めた」と説明。
下期は店舗閉鎖の効果も出てくると見通したうえで、活用されていないイートインの売場化を約2000店舗で促進し衣料品や洗剤など生活必需品を中心に品揃えを強化する。