16.1 C
Tokyo
15.9 C
Osaka
2025 / 11 / 04 火曜日
English
加工食品乳製品・アイスクリームカマンベールに独自スパイス添付 「味変」で新たな楽しさ提供 明治
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

カマンベールに独自スパイス添付 「味変」で新たな楽しさ提供 明治

明治は9月1日から、「明治北海道十勝カマンベールチーズ専用スパイス付き」を14万4千個の数量限定で全国発売している。価格は据え置きで、既存の「明治北海道十勝カマンベール」の箱上部に専用スパイス「ザ・ゴールド」(1g)を添付した。味変やちょい足しニーズに応える新たなアイデアで、需要拡大につなげる。

スパイスは、明治とカネカサンスパイスの共同開発。粉末たまねぎ・にんにく・みそ・しょうがのうまみをベースに、隠し味には希少な金の太陽花椒を使用した。「旨味に作用する香辛料のスパイスが香ることで、おつまみとしての価値が上がる。スパイスのオレンジがチーズの白に映えて、今までにない体験が提供できる」(西日本支社量販営業二部営業一課係長の後閑宏明氏)。

今回の施策は、開発部門ではなく営業部の有志5人で発足したプロジェクトチームが「ニッポンの食卓をチーズで変える」をテーマに、半年間でアイデア出しから商談企画までを行った。「流通に提案する際に一番近いのは営業担当者。食卓に近い立場で提案できることがあると考えた」(後閑氏)。

チーズ専用スパイス付きの新商品(イメージ)
チーズ専用スパイス付きの新商品(イメージ)

完成したスパイスは23年度に、ボトルタイプを非売品として、全国約3千店舗でチーズや冊子とセット販売した。「バイヤーの方にも面白がっていただけた。チラシ掲載や企画景品にもなり、SNSで大きな反響があった」(同)。今回はより多くのチェーンが参加できるように商品への添付を決めたという。

フローズン・食品事業部の右川祥太朗氏はチーズ市場が抱える課題について、販売額は伸長している一方、販売量は伸び悩んでいる点を挙げる。値上げによる単価アップや買い控えなどが要因とみられ、物量回復を課題とした。

こうした環境下「何もしなければダウントレンドになる」という認識のもと、同社ではチーズの販売力向上に注力してきた。スパイス施策のほか期間限定品の投入、“ココットカマン”など食べ方提案を強化した結果、23年11~12月の需要期は前年比7%増で推移した。

新たな取り組みについて、右川氏は「添付した1gはホールタイプをおいしく食べられる適量。今までにない味変で市場を拡大し、生乳需給の課題解決につなげたい」と意欲を示した。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点