味の素冷凍食品は、主力品「ギョーザ」で大袋を追加するなどラインアップを広げてさらなる需要拡大を目指し、新ブランド「おべんとPON」シリーズで時代のニーズに沿ったお弁当づくりの新たなスタイルを提案する。
「ギョーザ」は今春、フライパンへの張りつきを大幅に改善し、誰でもパリッとした羽根つきギョーザが焼けるように進化した。このほど秋季新製品・リニューアル品体験会を開き、寺本博之社長は「『ギョーザ』の販売は2023年春の価格改定を境に伸び悩んでいたが“焼き体験”を核にしたマーケティング活動が成果を挙げつつあり、直近は販売数量が回復してきた」と手応えを話す。
24年秋は、商品ラインアップを拡充し、レギュラー品だけでは捉えきれないターゲットやオケージョンなどあらゆるニーズの取り込みを狙う。
子育てファミリー層をメーンターゲットに「ギョーザ 標準30個入り」を新発売。シリーズ初の大袋タイプで、食卓のメーンおかずでたっぷり食べたい需要に応える。
同社の調査によると、冷凍餃子の1人当たりの平均喫食個数は、一般的な12個入りの場合は6個だが、大容量タイプの場合は8個と1・3倍に増えるという。とくに子育てファミリー層は調理個数が増加する傾向にあり、「ギョーザ」の消費量拡大につながる可能性がある。
また新商品はトレイなしを採用したこともポイント。従来品に比べ冷凍庫のスペースを約2割、プラスチック使用量を6割以上それぞれ減らせる。
大袋は「ギョーザ」の中身も改良。マイルドな味付けで食べやすく、吟味した中国産にんにく使用でコスパにもこだわった。
「しょうがギョーザ」はリニューアル。にんにく不使用のため、においが気になる時にも安心して食べられる。今回はしょうがの辛みを抑え、さっぱりしながらもやみつきになる味わいに仕上げた。
「黒胡椒にんにく餃子」も改良。隠し味にはちみつを加えて後味のコクがアップ。にんにくのガツンとした風味をきかせ、お酒とも相性抜群だ。
一方、「おべんとPON」は業界初のスティック形状を採用。お弁当商材で一般的なトレイを使っておらず、冷凍庫内で圧倒的に収納しやすく、廃棄時のゴミの体積は約85%も縮小することができる。
テスト販売時のアンケートでは(トレイあり商品に比べて)「手間が減らせて楽」「かさばらずに捨てられてうれしい」などタイパの観点からも好意的な評価が多かった。
アイテムは「とんかつ」「からあげ」「メンチカツ」「つくね」「とり天」の5品。原材料の選定から自然解凍後の品質に至るまでおいしさにこだわった。
またコンパクトな商品設計を生かし、スーパーなどの店頭では段ボールから出して化粧箱に入れたまま陳列できるようにした。作業の時短に加え、1フェイス当たりの陳列効果も大幅にアップする。さらには商品を梱包する段ボールサイズが小さく、1パレット当たりの積載率はトレイ品に比べて約200%と高い。社会課題となっている輸送効率の向上が見込まれる。