ニップン 食と健康を通じ社会貢献 ウェルビーイング実現へ 前鶴社長が方針説明

ニップンは7月17日、新宿三井クラブで夏季記者懇談会を開催。懇談会では前鶴俊哉社長が概況説明を、事業別の取り組みについては各担当役員が説明した。

前鶴社長は、中期目標の修正と新中期目標における成長イメージを説明した上で長期ビジョン2030における経営理念、経営方針について言及。経済的評価に位置付ける売上高5千億円、営業利益250億円と、社会的な価値として掲げる「Our Statement」で社会・生活者・従業員のウェルビーイングを目指す。サステナブル経営については、継続している取り組みの加速化、深耕を推進する。環境保護とともに食と健康を通じた社会貢献に努める。

前鶴社長は「長期ビジョンに掲げた目標は簡単にできるものではないが、既存事業の積み上げと成長領域(冷凍食品、中食、ヘルスケア、海外)のインオーガニック成長などを積み重ねて達成していきたい」と力強く抱負を述べ、ブランド戦略で重要なマーケティングについては刀とのマスターブランド戦略に触れ、「協業での取り組みによりマーケティングへの人材投資も進めている、ノウハウも人材も会社の財産となる」と期待を寄せた。

製粉事業は、木村富雄専務が諸コスト高を拡売、生産効率向上、物流改善の実現で前期並み利益水準(償却前)を維持する事業方針を述べ、小麦粉の市場環境については「令和に入ってから国内市場は縮小していたが、国内では小麦関連でフル稼働している工場も少なくない。製パンや焼き菓子、即席麺など海外から評価されているジャンルもあり決して悲観するものではない」と説明した。

続いて川﨑裕章常務は、基盤領域の食品素材、加工食品の両事業について、成長領域の海外、中食、ヘルスケア各事業の事業方針を説明。市場で注目を集める「オーマイプレミアム〈もちっとおいしいスパゲッティ〉」については「おいしさの本質は別なところにあると導き出したと捉えている」と述べた。なお2026年中期目標では海外事業で2023年度比200%、ヘルスケア事業は同180%を目指す。

次に財務について大田尾享取締役が2026年度までのキャッシュ・アロケーションについて説明、「3年間で700億円のキャッシュフローを確保し次なる成長とともに安定配当の維持にも充てていく」と述べた。