白子が7月3日に発表した88期(24年3月期)連結決算は、売上132億8千300万円(前期比8.8%増)、経常損失1億9千200万円。
決算発表会で原田勝裕社長は「価格改定が想定に届かず売上数量も減少し、原価コストの増加分を吸収しきれなかった」と述べた。赤字決算はコロナ禍の緊急事態宣言下で売上が大きく減少した21年3月期以来。
白子単体の売上は126億2千300万円(9.9%増)で経常損失は2億2千900万円だった。
商品群別売上(単体)は、ギフト22億3千100万円(2.7%増)、家庭用海苔57億8千300万円(5.6%増)、業務用43億4千800万円(20.7%増)、お茶漬けふりかけ1億4千600万円(9.0%増)、レトルト8千500万円(13.3%増)、その他2千600万円(4.0%増)。
家庭用海苔のうち、味のり30億7千800万円(1億5千500万円増)、焼海苔26億8千600万円(1億5千400万円増)。値上げ浸透に時間がかかったうえ数量も10%減少。売上増加額は計画未達だった。
業務用のうち、板海苔は1億5千300万円(200%増)。業務用は十分に値上げでき、人流が戻ってコンビニも中食も動きが良かった。
原田社長は「2年連続で共販枚数が50億枚を割った。今年は海苔商社の仕入れ量が昨年よりも多く、共販単価が漁期終了まで高止まりしたままだった。仕入増に加えて生産資材価格も上昇基調にあり、今年も6月に価格改定を実施した。7月時点で9割まで浸透しており、黒字化につなげたい」と語った。
25年3月期の連結目標は、売上153億5千万円(15.6%増)、経常利益7千500万円。
「今年は創業155周年。今期は3か年中期経営計画の最終年度でもある。モチベーションを高めて目標達成を目指す」と原田社長は決意を示した。
秋冬に新シリーズ「たまごかけごはんふりかけ」
24年度秋冬商戦では新開発の「たまごかけごはんふりかけシリーズ」2品を9月1日に発売する。ターゲットは20~40代の女性で、22年10月以降の鶏卵価格の高止まりを背景に、市場にないシンプルな組み合わせにニーズを見いだした。
独自に実施したアンケートで、卵かけご飯を月に1回食べる人の割合が6割以上であることや、内容量と商品価格への評価を調査して「需要あり」と判断。ふりかけメーカーのニチフリ食品と共同で開発した。
新商品で目指したのは、外に持ち出しても食べられて、卵かけご飯の代替となるもの。熱と水分で溶けやすいように顆粒を設計した。あたたかいご飯の上にしばらく置くと顆粒が溶けて、卵かけご飯のようにトロッとした口溶けを味わえる。「だし醤油」は、やさしい卵の味わいとだしの効いた醤油でシンプルな卵かけご飯を再現。「にんにく」は、卵かけご飯の専門店などでトッピングとして人気のあるにんにくフレーバーを再現した。
内容量は20gだが、味が濃すぎないため、「1回にたくさんかけて味わって、数回で1袋がなくなる場合もあるかもしれない」と担当者は話す。今期の販売目標額は3千万円。