食べられるスプーン「パクーン」 ヴィーガン対応品が登場 勤労食

食べられるスプーン「パクーン」を展開する勤労食は7月から、鶏卵や上白糖を使用していないヴィーガン対応の「パクーン」を発売した。食品ロス削減や脱プラスチックにつながる取り組みとして注目の「パクーン」を海外の展開強化に加え、インバウンド需要などでヴィーガン料理を提供するレストランやホテルなどに広げていく考え。

社員食堂の運営などを行う勤労食では20年から「パクーン」を開発。コロナ禍では飲食店や観光客の減少などで広まりにくかったが、コロナが落ち着いて以降、好調に推移し累計で70万本を販売した。国産原料にこだわり、脱プラスチックなど環境への配慮のほか、規格外の野菜などを活用することで食品ロス削減、子どもたちに噛む習慣を育んでもらうなど食育で注目され、小中学校の教材としても利用された。

今回の新商品は、一番人気のフレーバー「かぼちゃ」と、海外で人気のフレーバー「抹茶」を用意。海外でヴィーガン対応を求める声があったほか、国内でもヴィーガン対応のレストランが増えていることから開発を進めた。鶏卵を使用しないことで強度が減ったが、ひよこ豆の煮汁を使用することで課題をクリア。通常のタイプと同じ5本入り700円を希望小売価格にした。

パクーンの開発に取り組んだ勤労食の濱崎佳寿子副社長は「社員食堂では敬遠される野菜を取ってもらうことや子どもたちに食に興味をもってもらうために開発したパクーン。現在、保存期間の延長に向けて開発を進めており、防災食としても広げていきたい」と話す。