日本製紙と日本テトラパックが協業 その目的は?

日本製紙と日本テトラパックは6月19日、飲料用紙容器(紙パック)のリサイクル率向上に向けた検討・取り組みについて幅広く協業することで合意したと発表した。

日本における紙パックのリーディングカンパニーである両社が協業することで、紙パックの価値を一層高めるとともに、紙パックのリサイクル率向上を図り同分野のサーキュラーエコノミーを確固たるものにすることが目的。

そもそも紙パックは主原料が紙であり、再生可能なバイオマスを素材としている。焼却時に発生するCO2はもともと木が大気中から吸収した炭素由来のため、大気中のCO2は増えないとみなすことができる。

その一方で、製造の際の二酸化炭素の排出量をさらに削減し、使用する資源を抑制していくことが求められると同時に、リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへの転換による環境負荷軽減は両社共通の責務となっており、協業することでこれらの責務を果たしていく方針。

協業の大まかな方向性は以下の3点。

1.日本が世界に誇れる分別回収システムを活用すべく、BKP(晒クラフトパルプ)100%を配合した原紙を継続して採用し、使用済み紙パックの高付加価値リサイクルを推進

2.原紙以外の副構成物(樹脂、アルミ箔等)に関する産業用途でのリサイクルを推進

3.紙パックリサイクルにおける積極的なPR活動

「使用済み紙パックの高付加価値リサイクル」とは、白色度の高さが求められる高付加価値な紙製品へのリサイクルのこと。

漂白されて白色度の高い再生パルプを使用した紙パックは、リサイクルによって、白色度の高い高付加価値な紙製品に再生が可能となる。

日本ではこの特徴を生かし、紙パックだけを分別して回収するシステムが構築されている。今回の協業においても、このシステムを活用しリサイクルを行う。

なお、紙パックに使用される各素材の具体的な活用方途については、今後発表する予定としている。