日本冷凍食品協会は、品質・衛生管理等の基準を満たした認定工場の製品が付与できる「認定証」マークを来年度から一新する。「HACCP制度化」に対応していることを明示したデザインに変更する方針。工場の認定制度とともに改めて幅広く周知を図り、業界のさらなるレベルアップにつなげたい考えだ。一方、5月22日就任した出倉功一専務理事は「近年の冷凍食品はステージが一段上がった。協会の立場で役割をしっかり果たしていきたい」と話した。
冷凍食品記者クラブ(本紙など9社加盟)との定例会で明らかにしたもの。冷凍食品工場の認定制度は50年以上にわたり運営され、世の中の変化にあわせてブラッシュアップしてきた。17年度には「FSSC22000」「ISO22000」など国際規格に準拠した内容に改定済み。
それらの中でも世間の認知度が高いHACCPについて、認定工場の製品が基準を満たしていることを新たな認定証マークで明示し訴求していく。現在はデザインの商標登録を申請中。下期以降、会員メーカーをはじめ関係各社に変更の周知を図った上で、来年度から順次切り替える予定。
川﨑順司常務理事は「認定マークの変更を機に、冷凍食品工場の認定制度もアピールしていきたい。近年は認定工場のレベルアップが顕著だ。会員321工場(前年度末)のうち95%超の307工場が一定基準をクリアし、認定有効期間最長の『4年工場』になっている」とした上で、「今後は会員企業のすそ野を広げ、一緒になって品質を底上げしていければ。業務用においても、例えば一部学校給食で認定マーク付き製品が求められているように、信頼の証として普及を図っていきたい」と期待を寄せる。
なお国際的な食品安全マネジメントシステムなどの認証や運用に比べ、業界団体ならではの低コストでHACCP対応やその後のサポートを受けられることもポイント。
一方、定例会には5月まで19年超にわたり専務理事を務めた木村均顧問も出席。「前半の10年は冷凍食品の安全問題が立て続けに発生し対応に追われることが多かった。後半の10年は冷凍食品の評価が徐々に高まり、家庭用・業務用とも製品価値のPRに注力した」など振り返った。