セブン&アイ・ホールディングスはマネジメント体制を強固に整えグローバルCVS(コンビニ)戦略を推進し、本業で稼ぐ力を示す指標であるEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を拡大させる。
4月23日開催した「IR Day2024」で井阪隆一社長は「全社が飛躍的なEBITDA成長を実現できるよう、これまでに以上にCVS事業にフォーカスして取り組んでいく」と意欲をのぞかせる。
グローバルCVS戦略の推進役は、日本でCVSを展開するセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)と北米地域でCVSを展開するセブン-イレブン・インク(SEI)、これに日本と北米以外のグローバルCVS事業を担う7-Eleven International LLC(7IN)を加えた3社。
グローバルに展開可能な知見の共有と各地域の特性や嗜好に応じて機動的に対応するローカライズ戦略の両面で各CVS事業を成長させる。
知見共有については「SEJがこれまで構築した食の強みをSEIと7INを通じてグローバルに展開していくとともに、SEIが有するITとDXのノウハウをSEJならびにグローバルに展開していく方針」と語る。
SEJからは、弁当や惣菜などのフレッシュフードの商品開発とフレッシュフードを支えるバリューチェーンネットワークの構築を海外に水平展開する。その核となるパートナー企業のわらべや日洋は2017年、米国本土に初進出。独自のフレッシュフード開発と供給のプロセスづくりを加速させている。
SEIは前期(2月期)、テキサス州とヴァージニア州でわらべやカテゴリー商品群が二ケタ増を記録。今期は、わらべやカテゴリー商品の平均日販について、テキサス州で22%増、ヴァージニア州で35%増を計画する。
SEIが有するITとDXの代表例がオンデマンド型宅配サービス「7NOW」とリテールメディア。
「『7NOW』の画面で、様々なリテーラーやクイックサーブレストランの商品が一緒に注文できるという新しいビジネスがフロリダとダラスで始まりつつある。そのようなサービスを日本でこれから展開したい。リテールメディアという取り組みも日米両方で取り組んでいきたいモデル」と説明する。
今後はグローバルでの共同調達も視野に入れる。「建築資材やデジタルデバイスといったものを共同調達して各国に提供する。そういう機能も今後は強化できると考えている」と述べる。