キーコーヒー、業務用でアレンジコーヒー提案強化 自然素材だけでできたNZ産シロップ「SHOTT(ショット)」で

キーコーヒーは今期(3月期)、業務用事業の重点施策の1つとして、日本初上陸の直輸入商品となるニュージーランド(NZ)産コーヒーシロップ「SHOTT(ショット)」を前期2月から販売を開始し、アレンジコーヒーの提案を強化している。

競合のシロップとの差別化ポイントとして、高品質なサトウキビを使用し人工着色料・香料・甘味料不使用で自然素材だけでできている点や、独自製造プロセスによるおいしさを訴求していく。

「SHOTT」の特長について、取材に応じた松澤真一執行役員事業本部長は「シロップは一般的に原料に液糖が使われ、加熱殺菌して短時間で製造されるのに対して、『SHOTT』は原料に液糖を使用せず、フルーツ・天然香料・高品質のきび砂糖を使用している」と説明する。

製造では、最低8時間加熱せずミキシングして浸透。これにより「甘すぎず香り高く深い甘みとコクが楽しめるようになっている」と胸を張る。

副次的な訴求ポイントとしては、コスト・パフォーマンスを挙げる。

キーコーヒーの松澤真一執行役員事業本部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
キーコーヒーの松澤真一執行役員事業本部長

キーコーヒーも、かつては他ブランドのシロップを仕入れて取引先に提案していたが、相次ぐシロップの価格改定と他のコーヒー企業も同じシロップを仕入れているケースが多いことから価格競争に陥りがちだったという。

こうした状況から抜きん出るため、キーコーヒーは商社などを介さない直輸入の探索を決断。SCM本部購買部購買チームが主導となり見つけ出したのが「SHOTT」だった。

「SHOTT」を手掛けるショットビバレッジ社は、1973年NZ首都ウェリントンで創業。創業の地にあるウェリントン工場に加えて、22年1月にはNZ最大都市のオークランドに2つ目の工場を設立し最新鋭の設備を導入している。

現在は、NZ国内をはじめ、北米、豪州、アジア、英国など全22か国で展開。NZのシロップ市場の8割のシェアを握り、アジアは近年急成長し毎年50%増で売上げを伸ばしている。アジアの中で特に韓国では圧倒的に高いシェアを握る。

「SHOTT」のラインアップはコーヒーシロップとフルーツシロップに大別され、今回、キーコーヒーはコーヒーシロップ6種類をホテル・レストラン・カフェなどに向けて提案していく。

「既存と新規の両方で、アレンジにもこだわるコーヒーを提供されているお客様にフレーバー(シロップ)を提案していく。まずは既存のお客様へのご案内に注力し、新規を徐々に獲得していきたい」と意欲をのぞかせる。

コーヒーシロップ6種類のうち「キャラメル」「ヘーゼルナッツ」「ホワイトチョコレート」「バニラ」の4種類は世界的に売れ筋上位となるが、今期は更にシロップの種類を増やし、ラインアップ拡大を図ることも決定している。