ローソン チャレンジ商品の開発強化 価格超える品質・価値提供

ローソンは24年度、売上の7割を占める定番商品と2割を占めるチャレンジ商品の2軸でさらなる成長を目指す。上期はタイパ・コスパ・ウェルビーイングに着目した商品で変化するトレンドに対応する。

3月21日、戦略発表会で梅田貴之理事執行役員商品本部本部長補佐は「昨今のインフレでは単価の安い商品が求められる傾向があったが、賃金上昇とともにある程度改善されるとみている。先を見通したうえで価格を上回る価値の追求をしていく」と述べる。

コスパ商品については「若干値段が高くても買い求めやすく、品質や価値が価格を上回る商品」と定義し、タイパについてはニーズがある程度長期化すると予測する。

このような見方のもと、今春はタイパにプチ贅沢や栄養バランス、食べ応えなどを組み合わせたチャレンジ商品を充実させる。

「ご褒美スティックケーキ ぷっくりクリーム&いちご」(5月発売予定)と「同 濃厚モンブラン」(同)の2品は、ワンハンドの手軽さと本格的な味わいを両立した商品。「フランスでは、いろいろなスイーツをスティックにするのが流行。贅沢さやおいしさを追求したうえで、手軽な形状にした」という。

24年度は同社が得意とする生クリームに加え、チーズやカスタード、ショコラなどの素材も品質も強化する。

サラダでは、「バランスチャージ パスタサラダ 豚しゃぶ」(同)と「同ローストチキン」(同)の2品を発売する。2品とも容器をシェイクして下段のドレッシングと全体を混ぜる“オールインワン”のパスタサラダ。ドレッシングの小袋削減や手が汚れない手軽さ、栄養面も重視して開発された。

そのほか、33種の栄養素が手軽に摂れる「サポート部レッド チョコ&バナナ2個入り」「同チョコチップスティック2本入」(同)を発売する。

「具!おにぎり まるで明太のり弁」(4月2日発売)は、のり弁の人気具材と明太子をおにぎりに挟んだ商品。「Z世代を中心に短時間で満足感を得たいニーズが浸透している」ことを受けて開発されたもの。箸を不要とし、ゴミの排出が抑えられている点もポイントだ。

今後はLチキとアメリカンドッグの増量企画や、ベーカリーでも大きいサイズなどコスパの優れた新商品を2~3か月ごとに展開する方針。

約9千200店舗で展開している「まちかど厨房」については24年度、季節訴求を強化する。2~3か月ごとに新商品を展開予定で、今春は「てりチキたま」を使った商品を弁当や調理パンなど横断的に展開する。

環境配慮型商品も強化する。「食糧問題が世界の課題となるなか、持続可能な食に向けた取り組みも小規模ではあるが取り組む」とし、これまで催事商品の恵方巻やおせちなどで展開してきた「もったいないシリーズ」を手巻き寿司や日配商品へ拡大する。