日本アクセス 家庭用冷凍食品の活性化に挑戦 重点メーカーと成功事例を水平展開(フローズン食品MD部)

日本アクセスは、家庭用冷凍食品市場全体の活性化を見据え、得意領域のフローズン事業で卸機能をフル活用し、重点メーカーとの取り組みをさらに深化させながら、オリジナルの販促企画や専売商品を積極的に展開している。フローズン食品MD部の松元雄一部長は「情報卸としてメーカー、小売業の課題解決に貢献することを目指している。成功事例の水平展開や、マーケティング機能を活かしたきめ細かな売り場提案などを強化する方針。24年度は価格改定の影響で販売ペースが鈍ったメーカーの主要NB製品を再度活性化していきたい」と意気込む。

24年3月通期の家庭用冷凍食品の販売実績(金額ベース、以下同)は約8%増で着地する見込み。上期、下期とも同程度の推移となっている。カテゴリー別に見ると、麺類はパスタや焼そばがけん引し約9%増、中華類は価格改定を実施した中でほぼ前年並み、野菜類はオリジナルブランド「Delcy」の「ブロッコリー」「えだまめ」などの寄与で約7%増。

■24年フローズンマザー物流センター拡充

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本アクセス
家庭用冷凍食品の活性化に挑戦
重点メーカーと成功事例を水平展開(フローズン食品MD部)

24年度の重点施策には、(1)重点メーカーとの取り組み深化(2)収益の強化(3)フローズンマザー物流センターの拡充(4)アクセスブランドおよび開発商品の強化―の4点を掲げる。

(1)では、かねてより同社営業スタッフと取引先メーカーとの間で情報共有を推進。とくに成功事例を全国に水平展開し、主力品と新商品の販売拡大に注力している。あわせてアクセスならではの独自色ある販促企画のさらなる充実も目指す。

(3)は6月に中部、10月に東北でフローズンマザー物流センターが新たに稼働予定。既存の関東、近畿などとあわせ全国に向けた体制がほぼ整備され、「メーカーが抱える24年問題の解消に貢献したい」(松元部長)。

(4)は、今後の成長が期待されるカテゴリーに向け主に「Delcy」ブランドで新商品を投入している。24年春は「冷凍弁当」シリーズに「からあげグランプリ」最高金賞受賞店舗と組んだ「からあげの鳥しん監修 唐揚げ海苔弁当」「揚匠しげ盛監修 タレ唐海苔弁当」をラインアップ。需要が伸びている冷凍野菜には「きざみオクラ」、冷凍果実には「完熟マンゴー もりもりパック」を追加。電子レンジ3分の「生パスタ」2品(フィットチーネ/スパゲッティ)も発売した。また冷凍食品市場に新規参入を希望する他業種のメーカーが増えており、大手卸の機能や販路を活かして潜在的な需要開拓にも繋げたい考え。

■名古屋で初「チン!するレストラン」

一方、22年に期間限定で企画した冷凍食品とアイスクリームが食べ放題のレストラン「チン!するレストラン」を4月に愛知県名古屋市で初開催する。東京(22年)、大阪(23年)に続く出店となるが、今回も前売り券の販売は好調で手応えは大きい。新たな企画として会場「グローバルゲート」に近接する愛知大学とのコラボレーションも予定。さらには小売業とタイアップし、入場チケットが当たるインストアキャンペーンも実施。「冷凍食品のおいしさ、便利さ、バラエティの豊富さにもっとふれて欲しい」(同社)。

昨年10~11月、恒例の「フローズンアワード2023」を開催した。一般消費者のWeb投票件数は314万票を超え、前年を大きく上回った。24年1~2月に投票結果と連動した消費者キャンペーンと店頭での販促プロモーションを大々的に展開し、売り場の活性化に一役買った。