ココア市場に活性化の兆し 健康志向の新規ユーザーが流入 牽引役は「バンホーテンの腸活ココア」

ココア市場に活性化の兆しがみられる。

ココア市場は近年、特に朝の飲用シーンにおいて、麦芽飲料や植物性飲料などとの競争が強まり苦戦を強いられていたが、昨年需要期に息を吹き返し、オフシーズンとされる今年春夏には勢いを加速している模様だ。

これには片岡物産の「バンホーテンの腸活ココア」をはじめとする機能性表示食品が牽引役となり、ココア市場に健康志向の新規ユーザーが多く流入していることが要因とみられる。

「ココアの主要販売チャネルであるスーパーで、5―7月の販売動向をみると、『バンホーテンの腸活ココア』は2倍近く伸長し、これが牽引して『バンホーテン』トータルも3割近くのプラスとなった」(片岡物産)と振り返る。

「腸活ココア」は水溶性食物繊維イヌリンと「バンホーテン」の「ピュア ココア」を配合した本格ココアで、“腸内フローラを改善しお腹の調子を整える”機能性表示食品でもある。

使用している原材料は「ピュア ココア」、砂糖、イヌリンのみ。イヌリンは、ゴボウやタマネギなどに含まれる水溶性食物繊維の一種で、胃腸では消化されずそのまま大腸まで到達し、腸内細菌の栄養となり腸内細菌の活性化に役立つとされる。

ココアの健康的な価値に加えて、イヌリンや“お腹の調整を整える”の機能がマッチして新規流入を獲得している。

「インテージSCIの22年3月から23年2月までのデータをみると、『腸活ココア』の新規流入ユーザーの金額流入元内訳をみると、競合商品からのスイッチは20%に留まり、残りの80%がカテゴリーエントリーユーザーで占められ(22年3月~23年2月のココア商品非購入者)、ココア市場のパイを広げる原動力にもなってきている」とみている。

この流れは、旗艦商品「バンホーテン ミルクココア」にも好影響を与える。

「『腸活ココア』を試された方が、ココアのもう1つの選択肢として『ミルクココア』を試されるようになり、『ミルクココア』でもカテゴリーエントリーユーザーが増え活性化している」と説明する。

もう1つの機能性表示食品「バンホーテンの快眠ココア」も「腸活ココア」のような顕著な跳ね上がり方はしていないものの、「腸活ココア」とは別の新規ユーザーを取り込み成長しているという。

オフシーズンの春夏でココア市場が拡大傾向にあることから、冬場の最需要期にはさらなる拡大を見込む。