セブン‐イレブン出店再加速して街づくり戦略推進 地域における店舗数が多くなると日販も上がる相関に勝算 重点12県へ標準

 セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)はコロナ禍で滞っていた出店を再加速するとともに地域フェアを開催するなどして地域との連携を強化し街づくり戦略を推進していく。

 地域における店舗数シェアを横軸、1店舗・1日当たりの売上高(日販)を縦軸とした過去のデータを基に、地域における店舗数が多くなると日販も上がるという相関に勝算を見込む。

 10月31日開催された「IR Day2023」でSEJの永松文彦社長は「店舗シェア率が高いほど売上が高く、逆に店舗シェア率が低いほど売上が低い。SEJがトップシェアを確保できていないところについては出店を強化していく」と語る。

 一方、シェア率が高く日販が低いエリアについてはスクラップ&ビルド(S&B)などを実施して活性化を図る。

 出店強化エリアは、青森県・秋田県・岩手県・富山県・石川県・福井県・島根県・鳥取県・香川県・愛媛県・高知県・徳島県の12県。

 出店にあたっては、純新店やS&Bの基準を厳格化する。

 「出店に関しては2万1000店舖のノウハウが既にあるが順次変えている。人口構成やコロナで人流が変わってきていることから、出店基準・投資基準を見直して生産性をより高め、不振店を出さないことを進めている」という。

 人員配置も見直し。「人と人が会って直接ご説明する必要がある」との考えのもと出店開発担当者を増員する。

 エリア内での店舗同士のカニバリは起きておらず相乗効果が図れているという。
 「新店を出店する際には、周辺の既存店とともに販売促進のチラシなどの手を打っている。このようなことを含め地域全体で取り組んでいる。かつではドミナントという言い方をしていたが、今は街づくり戦略という言い方に変えている」と述べる。

 街づくり戦略の推進にあたっては、地域フェアも強化していく。

 前上期(2月期)に9件実施した地域フェアを、今上期に43都道府県で36件実施し、今後この勢いを加速させる。

 「県別単位もしくは地方単位でフェアや販促を行っていく。その上で地産地消を組み合わせていく。行政も非常に応援して下さり、お客様、生産者、販売者それぞれが良くなるような取り組みを今進めており、今年度中には日本全国で実施するという状況になっている」と説明する。