11月1日は「紅茶の日」。これは、1791年の11月に大黒屋光太夫がロシアの皇帝エカテリーナⅡ世から紅茶をふるまわれたことが由来となっている。
1782年、伊勢の商人だった大黒屋光太夫が江戸に向かう際、嵐が起きた。光太夫は流れ着いたロシアで9年間生活したが、1791年11月に当時の皇帝エカテリーナⅡ世に謁見し、日本への帰国を願い、その時に出されたのが紅茶だった。これが、日本人が初めて紅茶を飲んだ公式記録となっている。
この史実にちなみ、11月1日が「紅茶の日」と定められた。日本紅茶協会は、この記念日を契機に紅茶の啓発・普及を行うため、11月1日に明治記念館(東京都港区)で記念ティーセミナーを開催した。
「紅茶の日」が1983年に制定された経緯について、冒頭挨拶した日本紅茶協会の佐伯光則会長は「1791年11月に日本人として初めて紅茶を飲んだ時であろうという整理のもと日本紅茶協会幹部らの相談の上、11月1日を『紅茶の日』と決めさせていただいたということになる」と説明する。
日本紅茶協会は、日本で唯一の紅茶の団体として、業界窓口・消費促進・教育事業の主に3つの活動に取り組んでいる。
「これらの活動を通して日本の紅茶事業の発展を皆さんと進めるとともに、より安全で、よりおいしく、そしてより健康な紅茶を広めていきたい」と意欲をのぞかせる。
業界窓口としての事業では、国内外の関係政府や団体等とのコミュニケーション、消費期限の設定などを取り組んでいる。
紅茶の消費促進の面では、プレゼントキャンペーンや情報発信を行っている。「おいしい紅茶の店」というキャンペーンでは、現在全国の236店舗を紹介。各国大使館と協力して紅茶セミナーも開催している。
教育事業では、ティーインストラクター・ティーアドバイザーの養成研修などを実施。これまでで合計4000人弱に紅茶の教育の場を設けた。
セミナーでは「ペアリングで輝く紅茶の魅力」と題したトークショーが開かれ、温かいステーキに温かい紅茶を合わせるなどペアリングの楽しみ方が紹介された。
その後、日本紅茶協会認定ティーインストラクターの清水梨沙氏によるティーセミナーでは、おいしい紅茶の淹れ方やオリジナルモロッカンミントティーの作り方が紹介された。
最後には日本紅茶協会オリジナルグッズ等が当たる紅茶ワードビンゴが行われた。