みそ市場では安価なPB商品が販売好調な一方、上位メーカーの無添加みそが好調に推移している。中でも糀歩合の高い甘口のみそが支持されており、今年ここまでも大幅に伸長している有力ブランドや、発売1年ほどで急速に成長しているニューフェイスもある。好調の無添加みそを軸に、魅力的な品揃えで販売拡大を図りたい。
同市場は昨年から今年にかけて販売面で価格改定の影響が見られ、数量の減少を単価上昇によりカバーしている。物価高の中で安価なPBが好調。
その一方で、ブランドが確立されている有力メーカーの主力NBは堅調に推移。特に無添加みそが好調で、大きく成長している商品もある。
みそトップのマルコメは、「プラス糀 無添加 糀美人」が大幅に伸長し、無添加カテゴリーを牽引している。同社従来品と比べて米糀の量が2倍に相当する24割糀の「糀美人」は12年の発売以来、10年以上売上を伸ばし続けている。
発売当時はあまり知られていなかった高い糀割合による甘みが多くのユーザーから支持され、みそ市場で今日まで続いている“高糀歩合の甘口みそ”という新たなニーズを創出した。
ハナマルキは「無添加減塩追いこうじみそ」が伸長している。導入の増加とともに回転がアップ。従来のみそのイメージにとらわれないシンプルで現代的なデザインを採用。現在放映中のテレビCMは、最初から最後まで冷蔵庫の中のシーンのみと常識にとらわれない表現で印象に残る。
ひかり味噌は「CRAFT MISO 生糀」が販売好調だ。糀をたっぷり使い、甘みを最大限に引き出すことで、フレッシュでフルーティーな味わいを実現した。昨秋の発売以降、同社最速のスピードで配荷が進み、一気に売場が広がった。早くも同社3本目の柱に育ちつつある。
今秋も無添加カテゴリーに魅力的な商品が登場した。マルコメは「プラス糀 生みそ 糀美人熟甘」「同 糀美人なめらか」を発売した。市場で比較的規模が小さい赤系粒みそや淡色こしみそを販売拡大し、みそ全体の底上げにつなげる。