北陸の有力スーパー「アルビス」と「大阪屋ショップ」は、愛知県を中心とした東海地区への出店を今後も強化していく。大阪屋ショップは23年6月末に東海地区初の店舗を愛知県江南市に出店し、売上高は「計画以上」と好調に推移しており、今期からの3か年計画であと2~3店舗の出店を計画する。アルビスは23年11月に東海地区3店舗目を名古屋市北区に出店する計画で、今期(24年3月期)が最終年度の現中期3か年計画を着実に進めている。
富山県に本社を構える両社が東海地区の出店を強化する背景の一つには、人口の違いがある。北陸は3県(富山、石川、福井)合わせて人口約290万人だが、愛知県は約750万人、岐阜県は約190万人。単純に人口は3倍の差があり、両社トップはともに「北陸から見ると大きな市場」と捉える。
実際、両社の東海地区の店舗数は、アルビスが2店舗、大阪屋が1店舗とまだわずかだが、出店した愛知県の店舗など非常に好調だ。
アルビスは19年4月に東海地区1号店の「美濃加茂店」(岐阜県美濃加茂市)を出店すると、2号店は21年7月に名古屋市中村区に「中村二瀬店」を出店。中村二瀬店は現在、平日の客数も増加傾向にあり「地元の方に支持されている」(池田和男社長)と手応えをつかむ。
大阪屋ショップの江南店は、年間売上高18億円の想定に対し「大幅に上回る」(尾﨑弘明社長)見込みで、両社とも北陸の新鮮な鮮魚など「北陸」を前面に押し出した戦略で、東海の地元消費者から好評を得ている。
北陸のスーパーが今後も愛知・名古屋の消費者に受け入れられるかどうかの一つのポイントが今年11月に名古屋市北区へ出店するアルビスの3号店だ。商圏には「アピタ」をはじめ、「バロー」「マックスバリュ」「フィール」「アオキスーパー」など、愛知・岐阜の主だった有力スーパーがひしめいている。アルビスの池田社長は「地元(愛知)の方に支持いただけるかどうか」の「ターニングポイントの店舗」と位置付ける。