ネスレ日本のコンフェクショナリー事業本部コマーシャルデベロップメント部の竹内雄二部長は、インバウンド需要再開による「キットカット」消費の高まりに期待を寄せている。
「キットカットにとってギフティングは戦略的に重要なカテゴリー」と捉える竹内氏は、その背景には
①気持ちを伝えるコミュニケーションツール
②人と人とをつなぐお菓子の需要機会獲得
③新しい売場の獲得
④国内に加えてインバウンド旅行者へのリーチ
――など4つの側面があると指摘。中でも「国内の人流、インバウンドの回復が追い風になる」とみている。
竹内氏によれば、国内ではコロナ後、3月あたりから人流が戻り始め、コロナの分類が5類に移行した5月以降本格的に回復、リモートが定着しながらも出社する人が増え、政府発表による7月のインバウンドはコロナ前に比べて76%まで回復しており、今年は2019年比で80%(2千200~2千300万人)までと言われ、中国の団体旅行が解禁される中で、団体から個人に旅行スタイルが変化し、個人が動き出すと予測している。
「グローバルでは90年の歴史、日本は50年の歴史があるキットカットだが、日本の商品展開は海外とは異なり、インバウンドにも強い。その理由は圧倒的にバラエティに富んでいるためだ」と言う。海外ではオーソドックスなフレーバー展開が主流だが、日本ではご当地商品やバー形状、スティック形状、日本土産、コラボレーションなどがあり、バラエティでカラフルで、レシピの種類も豊富。「日本で好きな商品が見つかれば、中国に持ち帰り、お友達にプレゼントすることでインバウンド需要ができあがっている」と言う。
また「北海道から沖縄まで全国の主要エリアを網羅しているポートフォリオも強み」とし、今年は空港、駅、市中のホットスポットを再構築し、特にインバウンド旅行者の立ち寄り率が高いエリアを戦略的にカバーし、こうした場所の小売では大陳を行う。
さらに、「ポテンシャルが高いとみているシーズナルギフティング市場でもビジネスを確立」。昨年はサンタクロース型やベアー型のキャラクターキットカットの早期店頭売り切れが続出したが、2シーズン目に入った今年はパッケージを増やすなど積極的に展開。販売シーズンはバレンタインデーやクリスマス、販売チャネルはコンビニ、バラエティストア、空港、Eコマースなどを想定している。