相互が見本市 試食通し価値訴求

菓子卸の相互は8月30日、都ホテル八条(京都市)で秋季大見本市を開催した。メーカー80社が出展し、得意先約100社が来場。

「お菓子マルシェ!」をテーマに掲げた今回は、コロナ禍で難しかった試食を重視。出展メーカーは新製品や重点商品を売り込んだ。

自社ブランド「京かおり」のブースでは、リニューアルしたチョコレートボンボンを紹介。ウイスキー、梅酒、清酒の3種類で、それぞれ京都の歴史ある酒造メーカーの酒を使っている。昨年、大阪の百貨店でバレンタインに販売し好評だったことから、同社では「京都のお酒を使ったボンボンとして、ギフトや土産物チャネルを強化したい」と意気込む。

初出展のコーナーでは各社が特徴ある商品をアピールした。糖質を抑えたクッキーなどを販売するシルビア(愛知県)は、「ロカボファーム」ブランドで展開するドーナツを提案。「大豆粉で糖質を抑えるとともに、液糖を使うことでほかのロカボ製品に比べしっとりと仕上がっている」と特徴を説明する。

「焼生せんべい」を展開するまるせん米菓(茨城県桜川市)は創業製品の「わりやきせんべい」を紹介。「割ってから味を付ける、わりやき製法なので醤油のうまみが中まで染み込んでいる」とアピールしていた。両社とも西日本地区での販路拡大を目指す。このほか、企画コーナーでは什器による売場提案、引き合いが強まっている半生菓子などを訴求した。

  ◇  ◇

藤原弘社長(相互) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
藤原弘社長(相互)

藤原弘社長に前期の概況などを聞いた。

人流が戻り、菓子業界にもフォローの風が吹いている。一方で、商品の値上げが続き、それをどう乗り切るかが課題となる。今回の見本市では試食を通し商品の良さ、付加価値を知ってもらうとともに、売り方の提案に力を入れている。

前6月期は売上高が前年比105%の増収増益で着地した。得意先の廃業などマイナス要因があったものの、新規の取引や値上げによる売上増が寄与した。今期は売上高103%を計画している。7、8月は前年を上回り推移したが、値上げが一巡した10月以降どうなるか懸念される。

新店が多くない中で、既存得意先におけるインストアシェアをいかに高めるか。相互ならではの提案を増やしていきたい。物流問題に関しては店舗に対し、こちらの要望も示しながらきちんと取り組んでいく。