国分関信越 エリア共創圏規模№1企業へ 地域商品を開発・発掘

国分関信越はこのほど、23年度経営方針説明会を開催。仕入先メーカー171社171人が出席した。22年度業績は売上高1千848億8千万円(前年比12.6%増)、経常利益16億5千551万円(同30.9%増)。カテゴリー別の売上高構成比は食品48.7%、酒類28.5%、チルド.冷凍18%、その他4.8%。チルド・冷凍は前年より7ポイント増加。販路別構成比はスーパーマーケット48%、ドラッグストア31.2%。

前原康宏社長は前期を振り返り「卸事業の生産性向上と事業領域の拡大を推進し、関信越エリアの常温・低温の融合を図り、顧客満足度№1に向けた取り組みを強化。地域密着企業としての商品開発・商品発掘、物流の効率化、価格改定や電気代高騰への対応強化も成果を挙げた」と語った。

売場活性化の提案では、国分首都圏・国分中部と連携した新幹線輸送の取り組みを紹介。能登半島で水揚げされた鮮魚や金沢の寿司、地酒を北陸新幹線で運び、鮮度感たっぷりの商品をその日のうちに店舗に届け、集客力アップにつながる企画として得意先の満足度向上に貢献した。

「缶つま」とオリジナルワインのイタリアン企画による食と酒のコラボ提案、当日出来立ての寿司や和菓子とご当地の清酒の企画販売など、常温と低温を融合した提案活動を強化。オール国分で売場を創出し、コト売り提案の推進につなげた。

留め型商品の開発では「すぐに使えるおいしいあずきパウダー」をはじめ、味覚センサーでお酒と相性の良いフレーバーを選定したポテトチップス「KANPAI POTATO」、有名店監修のチルドラーメン、南三陸町産の「味付めかぶ」などを発売。若手社員による開発商品プロジェクトや得意先との商品開発も成果を挙げた。

物流改革ではドライバー待機時間の削減に向けた入荷予約受付システムの導入、茨城センターでの自立走行搬送ロボット(AMR)の導入など効率化・省力化の取り組みを推進。2024年問題に向けた物流の平準化・適正リードタイムの見直し、友好卸との物流協業や自社倉庫の活用、将来に向けた物流拠点再編成の取り組みで持続可能な物流の構築を目指す。

今年度の定量目標は、経常利益18億9千万円を計画。前原社長は「地元企業の成長と生活者の豊かで健康で楽しい食生活を支援するエリア共創圏規模№1企業を目指す」とし、地域ビジネスモデルの確立に向けた取り組みを強化。関信越エリアの強みを生かした地域密着商品の開発・発掘による収益拡大、低温事業の機能強化、アウトパックベンダーや業務用地域卸との連携強化によるフードサービス事業の拡大を進める方針を示した。