大森屋 稲野社長「動きある販促」に力 消費志向の変化に対応

大森屋の稲野達郎社長はこのほど開いた新製品発表会の席上、「動きのある販促」に注力することで、新たな消費志向に対応する考えを示し、次の通り述べた。

多彩な新製品で「売場での存在感を」

22年はコロナ禍も3年目となり、消費者がどう動くのか見えづらい部分があった。ただ、外へ出ることが増えたため、外食やテイクアウトなど業務用の新規開拓に力を入れた。

前9月期の売上高は前年と同基準で比べるとほぼ同じ。利益は主原料の価格が安定していたことと、製造、管理、営業の各部門が一丸となって経費削減と利益獲得に取り組んだことで増益となった。

以前はチラシやエンド特売に商品が入ればそれなりに数字も読めたが、それができない時代になった。消費者の志向が大きく変化している。先日、3年ぶりに対面のイベントを横浜で行い、非常に良い感触を得た。

今期はこのような動きのあるイベントを積極的に進めていきたい。スーパーの集客の手助けにもなり、試食をすることでわれわれの商品の良さも分かってもらえる。チラシやエンド特売など価格訴求ではない販促に注力する。

また、バラエティに富んだ新製品を発売することで、売場での存在感をもっと高めたい。「バリバリ職人」シリーズは年間で22億円の商品に成長したが、まだ導入されていないところも多い。手薄なエリアもあり、ほかの海苔、ふりかけ製品も含め開拓する余地は大きい。今期も新製品と既存品の深耕により、採用してもらえる店を増やす活動に力を入れる。原料やコストの高騰で利益面は厳しくなるだろうが、さまざまな販促や新製品によってそれを補い、切り抜けていく。