植物性原料を使用した代替肉は日本でも大豆ミートを中心に広がりつつある。そのなかで伝統食の「こうや豆腐」が再び脚光を集めている。
▼こうや豆腐の起源は諸説あるが、約800年前の鎌倉時代に高野山の僧侶が精進料理として食した話は有名。栄養素が豊富で、その半分を植物たんぱく質が占める。近年の研究では、凍結乾燥させる特殊な製法により、腸で食物繊維のような働きをする「レジスタントたんぱく質」を大豆の1・5倍以上含むことが分かっている。
▼代替肉の先進国である欧米にも拡大しようとする動きが活発化してきた。トップメーカーの旭松食品は、海外の大学と共同研究を行い、12月にその結果を食のシリコンバレーと言われるオランダ・フードバレーにて発表。コレステロールの減少、糖尿病予防、血糖値の上昇抑制などの機能性を有する、スーパーフードとして紹介した。今後はいかに地元の食に溶け込むか、粉末状、フレーク状など形態を模索しながら販売を強化する。
▼おせち需要を前に、こうや豆腐の販売がピークを迎えた。新年は新たな可能性を秘めたスーパー食材とともに、一年の健康と幸せを願うのも面白いかもしれない。