ミツカングループ(以下ミツカン)と日本女子大学は今春から始動した産学連携の取り組み「にっぽん食プロジェクト」の一環として、9月下旬から同大学でJWU社会連携科目「課題解決型ワークショップ にっぽん食を考える」を実施している。今月初旬の第10回の授業ではミツカン社員が「味ぽん」を題材に「食品メーカーの戦略に見る食体験提案の『これまで』と『これから』」をテーマに講義。具体的なレシピと献立の決定とその試作を経て、1月に「にっぽん食」のとりまとめを行う。
「にっぽん食プロジェクト」では、若者の視点で急速に多様化する食文化や価値観をとらえ直し、これからの食の未来を探求する。「課題解決型ワークショップ にっぽん食を考える」では、日本女子大学家政学部食物学科の飯田文子教授を中心に、参加学生が「食と健康」「おいしさの考え方」「持続可能な食」など食について多角的に学びながら、授業内で行われるワークショップを通じ、これからの食のあり方を検討する。
第10回の授業では、Mizkanマーケティング本部調味料企画1部の村重祐介部長が登壇した。村重部長は「味ぽん」について、提供価値を進化させ、メニュー領域を拡張させることで成長してきたことを紹介。「時代時代の家族像を描き、その時代に合った『家族団らん』に寄り添って提供価値を伝えてきた」と強調した。
「味ぽん」の「これから」については、環境が変化し、団らんのイメージも「家族が揃って食卓を囲むこと」から「家族や気の合う友人・仲間みんなが心地よく素になれること」に変化しつつあることを指摘。「味ぽん」が描く団らんも時代の変化を反映させる必要が、また「味ぽん」のファンになってもらうまでの道のり(味ぽんファン化ジャーニー)も時代に合わせて再構築する必要があるとし、それらを踏まえて今春から取り組んでいる「しあわせ、ぽん!」プロジェクトの概要を紹介した。
参加学生はその後、少人数のグループに分かれてグループワークを実施。「味ぽん」が日本の食卓で長く愛用されてきた理由をヒントに「にっぽん食」を考える中で大事にしていくべきこと、さらに10年後も「味ぽん」が今以上に支持され続ける調味料であるために10年後の「味ぽん」の新しい使い方を討議し、その内容を発表した。