日本パスタ協会は9日、「パスタ大学2022」を奈良県、三重県、和歌山県の管理栄養士と栄養士を対象にオンラインで開催した。
山中武彦会長は「当協会は本年で設立50周年を迎えた。8社の国内パスタメーカーが加盟しており、国産乾燥パスタをよりおいしく、楽しく召し上がっていただくために日々製品の品質向上に努めている。『パスタ大学』は36年前にスタートし、2000年度からは管理栄養士、栄養士の方を対象に開講している。このパスタ大学を通じて、給食など『食』に深くかかわる皆さまにパスタ料理のおいしさや健康に役立つ情報をご紹介できることを喜ばしく思う」とあいさつした。
講演会では、横山淳一氏(オリーヴァ内科クリニック院長)と、料理や食文化のコーディネーターを務める小川晴子氏を講師に招き、健康機能に有用とされる地中海食のエビデンスや、おいしい調理の仕方などについて学んだ。
横山氏はパスタやオリーブオイルをはじめとした地中海食が「健康食」と言われる理由を科学的、文化的にひも解き紹介。地中海食が動脈硬化を防ぎ、食後血糖値の上昇を抑制する健康機能性に触れた。また、自身のクリニックでの食事会の様子を報告した上で、パスタを主食とした地中海食のフルコースを食べても被験者の血糖値が上がらないデータを披露した。
横山氏は「健康・長寿を実現し、調理に手間や時間がかからない地中海食を集団調理に取り入れていただきたい」と聴講者に訴えた。
小川氏は、給食や集団調理に使いやすいパスタメニューを紹介。ゆで方のコツやゆでる際に1%の塩を加えることなどの注意点を挙げた上で、パスタの形状や選び方などを解説した。
また、小川氏は「コロナ禍で、1年以上保存できるパスタを食べる人が増えた。お腹が空かなくなったとの声が多く寄せられている。特にショートパスタは集団調理に使いやすい」とパスタの利点を述べた。