砂糖、3%値上げ 昨年来5回目 12月からDM三井製糖

精製糖業界トップのDM三井製糖はこのほど、12月1日からの砂糖出荷価格を6円(約3%相当)値上げすると特約店に通知した。7月(12円)に続き今年2回目の価格改定となる。

昨今の急激な円安の影響を受けて輸入原料費や工場のエネルギーコスト、資材コストが高騰しており、価格転嫁により砂糖事業の収益力を強化する。

今回の値上げが市中卸値に完全に浸透した場合、上白糖で1kgあたり222~223円、グラニュー糖で225~226円となる(価格はいずれも東京卸値)。

昨年は3回にわたって計17円の値上げを実施した。今年2回の値上額計18円と合わせると、砂糖価格は昨年からの累計で35円上昇することとなる。

急激な円安進行により輸入原料費が上昇している。ALIC(農畜産業振興機構)の10~12月粗糖売戻価格は、7~9月と比べ2円70銭/㎏上昇した。また、工場のエネルギーコストや資材価格も上昇を続け、「自助努力による吸収も限界に達した」(DM三井製糖)として価格転嫁に踏み切った。

国内の砂糖消費はコロナ禍で171万tまで落ち込んだが、人流回復やインバウンド需要の復活期待で土産物菓子や外食向けなど業務用需要が回復傾向を示している。特に年末年始に向け砂糖需要が最も高まるタイミングでの価格改定に対し、ユーザー側の抵抗も想定される。

しかし、砂糖需要低迷による工場稼働率の低下で砂糖事業の利益は大きく圧迫されている。今後も為替や原油価格など決して楽観できない状況が続く中で、「想定を超えるようなコスト増に対しては、今後も機動的な価格対応を取りたい」としている。