“エースコックは、本来食べられる未利用資源を商品に有効活用して食品ロス削減を目指すプロジェクトを発足。第一弾として、地元大阪湾で水揚げされた未利用魚を使ったカップめん「もったいないをおいしいに なにわの潮(うしお)ラーメン 醤油/塩」を17日に全国発売した。2品で100万食の数量限定販売。税抜希望小売価格214円。
未利用魚とは、魚体サイズがふぞろい、漁獲量が少なく出荷量がまとまらないなどの理由から、本来の目的である食用として利用されにくく、価値がつきにくいため市場の流通が難しい魚の総称。日本の漁獲量が減少傾向にあるなかで、SDGsの観点から、こうした魚を有効活用しようとする動きが近年加速化している。
今回発売した「なにわの潮(うしお)ラーメン」には、大阪湾で捕れた「ハモ」「シログチ」「コノシロ(コハダの成魚)」の3種の魚を使用。「ハモ」は高級魚として関西では有名だが魚体サイズが大きいと食用にされにくく、また「シログチ」は練り製品の原料だが鮮度落ちが早い、「コノシロ」は小骨が多く調理が難しい、といった理由で未利用魚に認定されている。これらの魚の骨や骨の髄を余すことなく最大限に活用して炊きだした出汁を製品のスープに効かせた。「醤油」と「塩」味の2種類を販売。パッケージには「もったいないを、おいしいに変えてしまおう」のスローガンと食品ロス削減国民ロゴマーク、大阪府「もずやん」や「大阪産(もん)」を掲載。記載の二次元コードを読み込むと特設サイトで詳しい内容を紹介している。
ターゲットには、エシカル消費に関心の高い消費者を設定。今後は全国の地方自治体に広げ、年間3~4エリアを目標に商品を発売する計画だ。
17日には、大阪府公館にて吉村洋文・大阪府知事と村岡寛社長が合同記者会見を実施した。
村岡社長は「2025年の大阪・関西万博は、持続可能なSDGsの達成がテーマ。この発信地・大阪の食品メーカーとして何かできないかと考え大阪府庁に相談したところ、未利用魚の価値向上の取り組みを知り、食品ロス削減プロジェクトのスタートとした。カップ麺は一つのロットがあるので同じ魚種を集めるのは難しいところがあるが、大阪府漁業組合連合会に協力してもらい、商品化に至った」と説明した。
吉村知事は「大阪は食の街なので、食が元気でないと大阪は元気にならない。もったいないと美味しいが一つになって新しいイノベーションを生み出すことに、一緒に取り組むことを誇りに思う。大阪・関西万博には国内外から2千800万人が訪れる。そうした機会を活用して大阪の魅力を発信していきたい」と語った。”