味の素グループ3社は18日、主要カテゴリーの秋季新製品発表会を開催し、各社の担当者が方針などについて説明した。
味の素が20日から全国発売した「Cook Do 今夜は中華飯」の「広東風五目あんかけ飯用」「上海風甘辛豚飯用」「四川風ピリ辛鶏飯用」は、肉や野菜の栄養が摂れ、本格中華のご飯ものメニューが家庭で簡単に楽しめる中華合わせ調味料。「共働き世帯の拡大により調理にかける時間が短くなる中で、主菜と主食が一皿で食べられる手作り丼を家庭で調理する人が中長期的に伸長し、コロナ禍でさらに成長速度が上がっている」と調味料事業部の塩谷美咲氏。
しかし丼メニューを手作りで調理する人のうち、約8割が「野菜不足」や「レパートリー」「彩り・見た目」に不安を抱えているとし、これらを解決するため「開発チーム一丸となってご飯に合う品質を徹底追求し、最適ソースのとろみ、色合い、味わいが特徴の中華合わせ調味料を開発した」。
湯煎タイプやコンビニのチルド弁当は一人分なのに対し、「今夜は中華飯」は家族で食べるご飯を訴求。「食品の値上げが相次ぐ中で、お米は安定しており、ご飯に合うことを徹底追求したラインアップにより新需要を創り出したい。流通からもお米との連動した提案への評価が高い」とし、9月からお米売場での販売やチラシ広告、デジタル広告なども展開する。
同社は、8月下旬から全国で「クノールスープDELI」をリニューアル発売し、さらにスープパスタの3食入袋、パン入りの新品種も20日から全国発売した。「2021年度のスープDELIの売上高は173億円と過去最高になった。20~40代女性が33%を占め、年間9個以上買うヘビー層が半分を支えている」(栄養・加工食品事業部の田代雅也氏)。
しかしスープ売場での品種ごとの識別がしづらいなどの課題もあることから、素材の名前を大きくして品種ごとに選びやすくした。また、「たらこクリームスープパスタ」「サーモンとほうれん草のクリームスープパスタ」をリニューアルし、成長を加速する。
販促では10年ぶりにスポット広告を投入して需要を喚起。女優の川口春奈さんを起用し、「満足ランチ」とバラエティー感を訴求。デジタル広告やウォーターサーバーメーカー使用者向け(9~11月)、就職活動者向け(3~4月)のサンプリングも行う。
20日からは植物由来の原料のみを使用したカロリー50%カットの甘味料「パルスイート植物由来」を全国発売。「健康意識の高まりや内食需要の高まりを背景に、低カロリー甘味料市場は19年以降順調に拡大し、21年度は103%だった。普及型が7割を占め、植物由来型(159%)が市場拡大を牽引した」と甘味料部の高橋和也氏。そこで甘味原料に南米原産のキク科の多年草から抽出したステビアを採用した「パルスイート植物由来」を開発。「カロリーを抑えながらおいしい甘さを出すには苦労したが、3分の1の量で砂糖と同じ甘さになるため罪悪感がなく使えるとの声が高まっている」。