飲料と靴下販売も 自販機で地域に貢献、関西メーカー各社のユニークな取り組み

自動販売機が地域貢献の一助につながっており、関西地区では飲料企業のほか、食品企業も自販機設置をきっかけに自社の思いを伝えている。最近では、ダイドードリンコが飲料とともに靴下生産量日本一の奈良県広陵町の靴下も販売。レトルトカレーの技術力と味に定評があるベル食品工業は、SDGs視点で開発した自社カレーなどを訴求。タケダハム、六甲バターも自社商品自販機を設置し、ケンミン食品の冷凍ビーフン自販機はすでに5台目に拡大するなど、コロナ禍でも利用しやすい非対面式の要素も後押しし、各社順調に販売数を伸ばしている。

ダイドードリンコは売上の8割強を自販機販売が占め、これまでも飲料自販機で各自治体と協力しながらマスクやおむつなどを販売する自販機を設置してきた。今回は靴下の生産量日本一の奈良県広陵町内の7か所に「靴下自動販売機」を6月に設置し、今後は同町内の施設や企業へ展開していく。

同町の靴下は、近畿経済産業局が大阪・関西万博開催の25年に向け、国内外の市場獲得に「あと一押しが必要」とする10の支援対象の地域ブランドの一つ。今回販売する靴下は、「靴下デザインコンテスト」で受賞作品に選ばれた靴下で、一足税込500円で販売している。

ダイドードリンコが自販機で販売する靴下 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ダイドードリンコが自販機で販売する靴下

ベル食品工業はレトルトカレーが主力。有力企業からの信頼も厚く、受託生産数は業界トップレベルの400~500種類。今年3月に本社敷地内に地元住民向けにレトルトカレーの自販機を設置したところ、「想定以上」の売れ行きとなっている。販売商品はOEMの人気商品のほか、CO2排出削減を訴求する自社ブランド「ベルカレー研究所」で、同ブランドを通して「小さな削減の積み重ねが地球を守る」と訴えている。

また、同社近隣の公園ではスポーツを楽しむ住民もおり、飲料自販機も併設しているので地域住民の熱中症予防にもつながりそうだ。

六甲バターは、主力のQBBベビーチーズを「小さなエナジーフード」としても訴求しており、今春からスケートボードの金メダリスト西矢椛選手などとブランドアンバサダー契約を締結。その自販機は6月6日~9月5日まで東京都渋谷区に期間限定で設置し、1本(4個入)50円で販売し、売上はスケートボードの健全な普及啓蒙活動などの支援に役立てられる。