牛乳や乳製品の需要が落ち込む年末年始にかけ、消費を盛り上げるため各企業がさまざまな取り組みを展開した。
コロナ禍による需要回復の遅れや冬休み期間中の学校給食休止などを背景に、生乳の大量廃棄が懸念されるとの業界予測を受けた動きだ。
日ごろ食品ロス問題で注目されがちなコンビニ業界でも、大量廃棄の回避に向けて大手チェーン各社が応援企画を実施。消費拡大に一役買った。
セブン-イレブンをはじめセブン&アイグループ各社では、PB「セブンプレミアム 毎日の食卓牛乳1L」の20円引きキャンペーンを5日まで実施した。また、「明治おいしい牛乳900」を購入すると、「明治R-1ドリンク」などヨーグルトドリンク1本を11日まで無料でプレゼントした。
ファミリーマートは、カウンターコーヒー「ファミマカフェ」各種の購入で「カフェラテLサイズ/ブレンドLサイズ30円引レシートクーポン」をプレゼントする企画を10日まで展開した。このうち「カフェラテ」には乳100%のミルクを使用しており、今回の企画でファミマカフェの生乳使用量は前年同期比120t増となった見込み。
ローソンでは、大みそかと元日の2日間にわたり、レジカウンターで提供する「マチカフェ」メニューの「ホットミルク」を通常の半額となる65円で販売。この企画は好評を博し、2日間のホットミルク販売量は135tを記録。12月28日からの1週間では販売数が前年同期比18倍に達し、年末年始の牛乳消費拡大に貢献した。
また同社によれば、期間中の販売数トップは茨城県。全国平均の約2倍を記録したという。購入者層では20~40代女性が50%を占めた。販売数上位10店舗のうち8店舗が近くに神社や寺のある店舗だったといい、初詣客の需要もしっかりつかんだ模様だ。