味の素社は、「味の素」「ハイミー」の紙包材変更や、「Cook Do炒ソース」新発売および「クノール カップスープ牛乳でつくるシリーズ」を3年ぶりに全面リニューアルするなど主力ブランドの春夏戦略が固まった。
うま味調味料「味の素」および「うま味だし・ハイミー」は、袋入りのパッケージを3月中旬以降順次プラスチックから紙包材に変更する。(「味の素」400gは紙包材パッケージ製品だけ2月19日から発売)。プラスチック包材と変わらない使用性(強度・保存性・開封のしやすさ)を実現しながら、年間約12tのプラスチック廃棄物を削減。紙を突き破ってしまうおそれのある粒子なので紙包材化には多くの課題もあったが、約2年間の試行錯誤の結果、プラスチックと変わらない強度や保存性を実現した。
2020年度のうま味調味料市場は、コロナ禍における内食需要の高まりなどから前年比103%に拡大。特に「味の素」は、インフルエンサーを起用したYouTube動画などの施策により若年層(単身・夫婦)の新規ユーザーが拡大した。他商品の環境対応は次の通り。
▽「ピュアセレクト マヨネーズ」全品種、「ピュアセレクトコクうま」・「ピュアセレクト サラリア」→2022年度中にリサイクル可能なボトル素材に変更予定
▽「パルスイート スリムアップシュガー」スティック20本入→春季リニューアル時にパッケージ(外袋)をプラスチック包材から紙包材に変更
▽インドネシア味の素社の主力調味料製品の「Masako」のヘッダー廃止やタイ味の素社の「AJI-NO-MOTO」の中袋廃止などを実施
「Cook Do」では、オイスター風味の本格中華炒めメニューが1本でできるソース「Cook Do炒ソース」(上海オイスター醤油味)を2月5日から発売する。
家庭でも外食店のような本格的な味わいを楽しみたいとか時短ニーズに応え、1本あればオイスター風味の焼きそばや肉野菜炒めなど本格中華炒めメニューが作れる。デジタル広告やインフルエンサーを起用したSNSなどによる情報発信を展開。売上目標は約2億円(消費者購入ベース)。
「クノール カップスープ」では、「牛乳でつくるシリーズ」全4品種を3年ぶりに全面リニューアルし、2月19日から全国発売する。
コロナ禍による健康栄養意識の高まりを受け、「牛乳の栄養がスープでおいしく摂れる」をコンセプトに一新。コーンやかぼちゃなどの主となる野菜素材原料の風味を強化し、独自乳原料の活用により「口当たりの滑らかさ」を向上させる。
今回のリニューアルを通して牛乳との相性をさらに高め、1食当たり5.1gのたんぱく質と153.0㎎のカルシウムが摂れることをパッケージ前面に記載し、栄養価値を訴求する。
販促では牛乳の栄養をスープでおいしく摂れる価値を訴求する新TVCM(コーンポタージュ)を上期に放映(スポット・番組広告約1千GRP)。
またTVCMに合わせ、牛乳の常備率の高いファミリー・シニア層など、各ターゲットに最適なデジタル媒体を通じて、一人一人の健康栄養ニーズに合わせた価値訴求も展開する。