4月の砂糖販売は約15%減だった(前年比85.46%、精糖工業会調べ)。非常に大きな落ち込みとなっている。前年同月に改元絡みの5月10連休前の商品在庫の積み増しなどで大きく伸びた反動に、コロナ禍の各自粛影響が追い打ちをかけた格好だ。反動減が含まれるものの、「15%減」はそれなりに衝撃的な数値。今5月実績と合わせてアフターコロナの状況も占うことになりそうだ。
4月の砂糖出荷量は全体で前年比85.46%(前年同月109.02%)、大袋(業務用)が85.82%(同107.96%)、小袋(家庭用)は83.82%(同114.22%)だった。砂糖販売は少し伸びる月もあるが、基本は3~5%の右肩下がりが長年続いている。今4月は多くの食品カテゴリーで家庭用と業務用で明暗が分かれているが、家庭用砂糖も欠品ぎりぎりに売れた商品もある。恐らく家庭でのお菓子作りに使われたであろう商品や、自宅待機や勤務から突如として料理に目覚めた人たちが使ったと思われるこだわり砂糖の商品は非常に調子が良い。
ただ、砂糖は業務用比率が87%と格段に高い。家庭用商品の一部が飛ぶように売れたとしても、砂糖全体を補完するほどのけん引力はない。もちろん業務用砂糖もすべてが外食向けではなく、市販用の飲料、菓子、アイス、調味料も含まれる。家庭用砂糖は純粋に砂糖として食品売場で販売されるものだけをカウントしているため、末端の用途を含めた業務用比率はもう少し下がるだろう。
問題は今後の推移だ。砂糖(主に白糖)は平成30年間で約28%減少した。令和に入っても下げ止まりは見えず、3月下旬には大型経営統合&提携も発表されたばかり。コロナ禍を機に減少ペースが速まるようならば、さまざまな決断を早めなくてはならないかもしれない。