海洋プラスチック問題の解決に向けて日本財団と日本コカ・コーラが協働する。
ペットボトルリサイクル推進協議会によると国内の指定ペットボトルの回収率は92%。この数字に、ペットボトルが可燃物など他のゴミと混ざって回収されている分を加えた回収率は、複数の自治体が行ったゴミの実態調査をもとに日本コカ・コーラが推計したところ98%以上となる。
残りの1~2%の未回収分のうちの一部が、河川や海にごみとして流出しているものと考えられる。両社は第一ステップとして、その流出経路やメカニズムを把握するための大規模共同調査を開始した。
22日、発表会に臨んだ日本財団の笹川陽平会長は「原因のない結果はない。このような大きな問題も原因を突き詰めて対策を打ち出さないといけないと考え、143か国で約1千300人の海洋専門の学者を養成して世界的な学者のネットワークが完成している」と語った。
日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長は「廃棄物ゼロ社会の実現は民間企業1社だけで達成できるというものではない。同じビジョンを共有するさまざまなパートナーとの連携が必要になる。今回、日本財団さまとの取り組みが日本の資源循環をさらに高いレベルに引き上げ廃棄物ゼロ社会実現の一助になることを期待している」と述べた。
飲料業界内での連携についても「プラスチックごみをなくそうと取り組んでくださる一つのきっかけになってくれればいい。業界のリーダーとして模範を示す責任も負っていると考えている」と前向きな姿勢を示した。
共同調査は、レジ袋、ペットボトル、その他プラ、投棄ごみ、缶・ビン・紙くずを対象に、河川・水路と繁華街の2つのフィールドで実施する。19年内に調査結果をまとめ、プラスチック資源のさらなる有効活用のための政策提言とともに公表する。
河川・水路の調査では、全国8か所で陸域から河川に流出した廃棄物について約240kmにわたって行う。既に4月22~26日の期間、神奈川県・東京都を流れる境川を120人動員して調べたところ「途中経過報告で詳細な分析はこれからだが、川沿いのゴミ集積所からゴミが溢れ出て散乱し、常習的なポイ捨ても見受けられた」(日本財団の海野光行常務理事)。
仮に常習的なポイ捨てが原因だと判明した場合、日本コカ・コーラの柴田充技術本部QSE環境サステナビリティ部長は「対応はこれから考えることなので未定だが、恐らく、そのような方は罰則や呼びかけというよりも、何か仕組みをつくらないといけないと思う」と説明した。