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青森りんごの危機を救え‼️ カゴメ・JAアオレン・生産者がタッグ 1万円のりんごジュース「青の森の蜜」

 カゴメは通信販売「カゴメ健康直送便」より、4月末からストレートのりんごジュース「青の森の蜜」を出荷を開始した。

 近年、青森のりんごづくりは、天候不順による収量の不安定化や生産者の高齢化が進み、安定供給が難しくなっている。こうした中、今年から、技術革新によって自然の恵みを生かしながら農と食の可能性を広げることをミッションに掲げているカゴメは、1月から産地や生産者を応援する取り組み「めぐみめぐるAction!」を本格始動するなど、生産者との取組みを強化。こうした背景から生産者・JAアオレン(青森県農村工業農業協同組合連合会)・カゴメの三者は、約2年をかけて「青の森の蜜」を開発。4月末からの出荷にこぎつけた。

 「青の森の蜜」は、“青く茂る松の森”と言われる青森の地名にまつわる情景をヒントに、その土地が育んできた自然の恵みを表現したいという想いを込めて名づけた。1000ml 瓶3本入り(化粧箱)価格は 10,800 円(送料無料)

 商品は、JA アオレン独自の密閉搾り製法による青森県産ふじを使用した100%ストレート果汁と、裏ごししたりんごピューレーを贅沢にブレンドすることで、豊かなコクと華やかな香り。原料にはカゴメが独自に選果した青森県産「ふじ」を使用。無酸素下で搾り、香りの逃さない「密閉搾り」という新製法を導入した。

 青森りんごの2014年の生産量は45万tだったが、気候変動や農家の高齢化により40年には20万tまで減少することが予想されている。ここ数年は降雪により幹や枝割れによる雪害が続き、2年連続して生産量が減少。生産農家の平均年齢は70歳を超え、担い手が少なくなっており、その結果、2015年には農家数は13,500戸あったが、25年には9,500戸まで減少。2040年には半減が見込まれている。

 両社は27日、記者発表会とトークセッションを開催。この中でカゴメのマーケティング本部ウェルビーイング事業部の中津隈哲郎部長は、「気候変動は、りんご生産農家にとって深刻な問題だ。産地と中・長期的な取組み合意ができなければ良い原料は手に入らない。温暖化により産地が北上化する中、産地とどう関係性を築くかが課題。果実は植えても直ぐに収穫できず、一般的なリンゴは5年から7年かかる」など、りんご栽培の厳しい状況を説明。

会見する中津隈哲郎部長(左)と小笠原康彦代表理事会長
会見する中津隈哲郎部長(左)と小笠原康彦代表理事会長

 「カゴメが大事にしていることは持続的な取引」と語る中津隈部長は、「事業は徐々に成長し、長く続けてることが大事」とし、「ギフトや通販など様々なチャネルをもつカゴメの強みを通して、毎年安定的に価値ある商品を提供すれば、生産者も安心して農業に従事できる。カゴメは、こうした循環をつくって行く」など語った。

 また、健康直送便企画グループの恵良正和マネージャーは、「青森では、今やりんごが当たり前に手に入る状況ではない。そこでりんご生産者と継続的なタッグを組み、リンゴを盛り上げたい。JAアオレンの支援を仰ぎながら、生産者が夢をもって働けるようなりんご産業にしたい。今までカゴメ主導の取組みはあったが、農産加工の取引先と一緒の取組みはなかった。カゴメとしては新しいチャレンジだと思う」と語った。

青森りんご農家と情報交換する恵良正和マネージャー(右)
青森りんご農家と情報交換する恵良正和マネージャー(右)

 自身でもりんごを栽培するJAアオレンの小笠原康彦代表理事会長は、「カゴメは生産者と向き合って価値をつくるという、JAと同じ到達点を目指しており、産地を守りたいという強い想いもあることから賛同した」と語る。「『青の森の蜜』には生産者の想いと技術が詰まっている。国産果物の生産量が減少する中、県としても生産維持が喫緊の課題。加工品を通じて青森りんごの価値を届け、『やっぱり青森のりんごはおしい』という声が生産者に届けば、農家の生産意欲が増し、青森りんごの継続的な発展につながる」と抱負。

 なお発売前に健康直送便のロイヤルユーザーに試飲をしてもらった結果、「まるで桃のようなまろやかな甘さ」と高評価。青森県庁を表敬訪問した際には、宮下宗一郎知事からは「ピューレーによる飲み心地が、まるでりんごをそのまま食べているかのようだ」とのお墨付きがあった。

青森県庁の宮下宗一郎知事(左)を表敬訪問)
青森県庁の宮下宗一郎知事(左)を表敬訪問)
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