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飲料系飲料サントリー、ペットボトルコーヒーでカフェ品質へ大きく前進 「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」に新素材・新配合技術
KNOWLEDGE WORK 20260303

サントリー、ペットボトルコーヒーでカフェ品質へ大きく前進 「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」に新素材・新配合技術

 サントリー食品インターナショナルは、ペットボトル(PET)コーヒー「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」(以下、甘くないイタリアーノ)を外食のカフェ品質へ大きく前進させた。

 同商品は、そもそもカフェユーザーで甘くないラテを好む層に支持されており、2023年の発売開始から右肩上がりに成長を遂げている。

 今回、さらなる拡大を目指し、新素材と新配合技術を導入して中味に磨きをかけて2月24日にリニューアル発売される。

左からSBFジャパンブランドマーケティング本部の湯沢雅貴氏、SBFジャパン商品開発部の石井友喜氏
左からSBFジャパンブランドマーケティング本部の湯沢雅貴氏、SBFジャパン商品開発部の石井友喜氏

 2月5日、発表会に臨んだSBFジャパンブランドマーケティング本部の湯沢雅貴氏は、コーヒーを月1回以上飲む5000万人を対象とした同社調査を引き「PETコーヒーを飲まないが、コーヒーを常に飲んでいる方々は約2400万人。そのうち、甘くないPETラテの飲用意向者が約1100万人、『甘くないイタリアーノ』飲用経験者が200万人弱。このような開きを社内で議論したところ、ミルクの満足感に大きな課題があると判断した」と語る。

 ミルクの満足感を実現するにはミルク増量が一つの手となる。
 ただし、飲用乳の公正競争規約によると、ラテに欠かせない乳固形分が3%以上を占めるとPETでは対応できない乳飲料規格として扱われるためPETでのミルク増量には限りがある。

 同社はこのような壁を乗り越えるべく、2022年、乳原料と植物性素材をハイブリッドで使用する技術を編み出して「ミルキープレッソ」を発売した。

 今回、「ミルキープレッソ」で消費者から寄せられた「植物性素材由来の独特な香りがする」というネガティブ要素を解消するとともに乳の質感に近いコクを付与した。

 開発を担当したSBFジャパン商品開発部の石井友喜氏は「飲み応えのあるナチュラルなミルク感を実現した」と胸を張る。

新旧のミルクと「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」の現行品(右上)とリニューアル品(左上)
新旧のミルクと「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」の現行品(右上)とリニューアル品(左上)

 開発にあたっては、飲み応えのあるナチュラルなミルク感をまず規定し次に原料を探索。これにより編み出されたのがラテ専用ミルクとなる。

 ラテ専用ミルクは、新・乳素材と新・油脂配合技術を組み合わせて開発され、植物性素材由来の独特な香りは、新・乳素材の探索によって解消された。
 「出荷後、PETに光が当たることで植物っぽい香りが出てきてしまうため、その原因をいかに取り除くかという観点と、植物っぽい香りが出てきてしまったものをいかに抑えるかという観点でアプローチした」と振り返る。

 生乳を遠心分離などで分離・濃縮することを分画という。
 分画して製造される代表的なものにチーズやバター、脱脂粉乳などがある。新・乳素材もその1つで「日本の飲料では使用していないほどマイナーなもの」と述べる。安定調達や品質の安全性を踏まえて、生乳全体を隅から隅まで地道に探索したという。

 油脂についても「今まで実現できなかった生乳に含まれる乳の脂、生クリームのようなまろやかなコク感を実現するための新しい油脂を探した」と語る。

 新油脂は今後、他の商品にも使われる予定。ラテ専用ミルクの水平展開についても「まだ検討中だが、使っていきたい」との考えを明らかにする。

 ラテ専用ミルクに負けないようにコーヒーにもこだわった。

 自社焙煎工場との共同で「甘くないイタリアーノ」専用焙煎豆を立ち上げたほか、深煎りエスプレッソをゼロから見直して新たに配合して「カフェのラテユーザーの皆様がご満足いただけるような、豊かなミルク感を引き立たせるコーヒーの味わいを実現することができた」と力を込める。

 パッケージにも赤色の帯で強調してデザインされているラテ専用ミルクの表現は、今回のミルクの進化を伝えるべく議論を重ねて考案された。

 「クラフトボス」コーヒーシリーズの中で、「甘くないイタリアーノ」は「ブラック」「ラテ」双方で買い回りの傾向がみられるほか、PETコーヒーユーザー以外のカフェユーザーを取り込んでいる。

 湯沢氏は「PETコーヒーを飲んだことのない人も入ってきてリピート率も高い。どちらかというと奥行を獲得。つまり『クラフトボス』コーヒーシリーズ購入者あたりの購入点数のアップに寄与している。『ブラック』『ラテ』ユーザーの飲みたいものが変わったときの選択肢になりえている」との見方を示す。

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