一般社団法人日本乳業協会は1月28日、酪農乳業専門紙誌が加盟する酪農乳業ペンクラブの冬季研修会を開催。農林水産省畜産局牛乳乳製品課牛乳乳製品需要対策室課長補佐(貿易班担当)の青山葉子氏が「最近の酪農乳業事情について」と題し、国内酪農の位置付けや生乳需給の仕組みを解説した。
農業産出額に占める畜産の割合は約4割で、このうち牛乳・乳製品は約4分の1を占める。北海道や南九州を中心に、酪農乳業は地域経済を支える基幹産業となっている。
一方で、生乳需要は夏に増え冬に落ち込むため需給ギャップが生じやすい特徴がある。
この調整役を担うのが、保存性の高いバターや脱脂粉乳だ。冬場の余剰生乳は加工し夏場の需要期に在庫を取り崩すことで需給の安定を図る。不足時には国家貿易制度を通じた輸入で補完するなど、国内需給の安定を前提とした仕組みが構築されている。
酪農は生産調整が難しい産業でもある。乳牛は出産後に搾乳が可能となるため、生産拡大には年単位の時間を要し、需要変動の影響を受けやすい。需給のひっ迫と緩和を繰り返す歴史が続いてきた。チーズは国内需要が大きいものの、原料や製品の多くを輸入に依存しているのが実情で、乳製品ごとに需給構造や課題が異なる点が改めて示された。
講演では、日本の乳製品の強みとして、海外で「安心・安全」「品質が高い」と評価されている点も示された。すっきりとした雑味のない味わいや乳脂肪分の高さによるコクが特徴のほか、酪農現場の取り組みやものづくりの姿勢を含めた発信の重要性も指摘した。
輸出面で期待されるのが、アイスクリームなどの加工乳製品だ。季節ごとに新商品を投入する開発力や多様なフレーバー展開は、日本の食品産業が培ってきた商品開発力やものづくりの強みであり、今後の市場展開につながるとの見方を示した。
