オーケーが関西での1号店となる高井田店(東大阪市)を出店して1年が経った。今月3日には関西5店目で、神戸市初となる垂水小束山店をオープン。来年度は大阪府内へ7店を開く計画だ。二宮涼太郎社長は「大阪は他にも決まっている物件があり、兵庫も継続して探している」とさらなる出店へ意欲を示す。
オーケーとともに業界関係者の注目を集めるのがバローである。9月に兵庫県初となる尼崎潮江店をオープンしたのに続き、10月に大阪府8店目の東岸和田店を開店。関西の店舗数は2府3県・29店に拡大した。
加えてフタバヤ、八百鮮などの地場スーパーをグループに持つ。卸関係者は「バローグループはM&Aした地元スーパーの強みを吸い上げ、エリアに馴染みやすい戦略で展開している」と評する。このほか、ロピアや大黒天物産も着々と関西で店舗網を広げている。
「首都圏にもオーケーやライフなどが同じ商圏で戦っているエリアはあるが、すでに淘汰が進み市場はできあがっている」(メーカー営業担当)。
その一方、関西は地場スーパーが各地である程度のシェアを持ち、減少しているとはいえ都市部を中心に一定の人口を擁する。
卸の幹部は「関西の小売業界はイオン、ライフ、万代、エイチ・ツー・オーが中心だが、ほかのエリアに比べるとこれらの占有率は低い」と指摘する。その間隙を狙い域外の小売業が進出し、出店した地域では価格競争が激しさを増す。
採算を度外視し対抗する地元勢もあるが、今後競合する店舗の数が増えるといずれ体力は尽きる。「関西ではこれから淘汰が進む。10年、いや5年後に勢力図は様変わりしているだろう」(同)。こうした指摘が現実味を帯びてきた。
(本紙12月5日号に「近畿流通特集」)
