師走に思う

 師走になった。季節感が薄れた昨今だがカレンダーはあと一枚を残すのみだが、片付けるべき用件は山積みだ。現実逃避して思い出すのは、この時期に寄席でかかる「掛け取り」。年の瀬に続々とやってくる借金取りを機転と巧みな話術で丸め込む噺だ。

▼借金を返すどころか、借金取りに「良いお年を」と云わせて帰らせる軽妙さが良いし、江戸の庶民感覚も存分に味わえる。噺家が変われば味わいも変わるが「掛け取り」なら二代目枝雀、六代目圓楽が記憶に強く、最近では四代目歌奴が好みだ。

▼現実に戻ろう。片付けるべき用事は仕事、プライベートともに多々ある。たいへんな試練だが、これも毎年のこと。宿題を締め切りまでとっておいた悪癖がいまだに治らないのが情けない。

▼師走の難しさは詰まるところ「この年をきちんと締めたい」という思いをどう消化するか。わが食品業界においても課題は目白押しだ。コスト高、人手不足とキリがないが、残念ながら落語のようにはいかない。せめて積み残しの山を少しでも低くしておき、2026年に備えたい。

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