師走に思う

 師走になった。季節感が薄れた昨今だがカレンダーはあと一枚を残すのみだが、片付けるべき用件は山積みだ。現実逃避して思い出すのは、この時期に寄席でかかる「掛け取り」。年の瀬に続々とやってくる借金取りを機転と巧みな話術で丸め込む噺だ。

▼借金を返すどころか、借金取りに「良いお年を」と云わせて帰らせる軽妙さが良いし、江戸の庶民感覚も存分に味わえる。噺家が変われば味わいも変わるが「掛け取り」なら二代目枝雀、六代目圓楽が記憶に強く、最近では四代目歌奴が好みだ。

▼現実に戻ろう。片付けるべき用事は仕事、プライベートともに多々ある。たいへんな試練だが、これも毎年のこと。宿題を締め切りまでとっておいた悪癖がいまだに治らないのが情けない。

▼師走の難しさは詰まるところ「この年をきちんと締めたい」という思いをどう消化するか。わが食品業界においても課題は目白押しだ。コスト高、人手不足とキリがないが、残念ながら落語のようにはいかない。せめて積み残しの山を少しでも低くしておき、2026年に備えたい。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。