ツルハホールディングス(HD)とウエルシアホールディングス(HD)は12月1日に経営統合し、売上高2兆3000億円・店舗数5600店を超える日本最大のドラッグストアチェーンが誕生した。今後、イオングループ含めたスケールメリットを活かし、PB共同開発や食品分野を強化するほか、NB商品の帳合統合や顧客データベースの一元化、基幹システムの統合に取り組む。
同日都内で開催された記者会見にはイオン・吉田昭夫社長、ツルハHD・鶴羽順社長、ウエルシアHD・桐澤英明社長が出席。2029年2月期までを「フェーズ1」、2032年2月期までを「フェーズ2」とする成長戦略を示した。最終年度に売上高を3兆円まで引き上げる。統合後の中期経営計画は2026年4月に発表する。
フェーズ1では、NB商品の取引条件・帳合の統合やPB商品の刷新・共同開発を行う。「ドラッグ&フード」を中心とした店舗フォーマットへの切り替えなどで、食品分野も強化する考えだ。
約1億人規模とされる購買データを統合し、両社共通の顧客データベースを構築するほか、基幹システムの統合により受発注・売上・在庫データなどの一元化を図る。フェーズ1の3年間で総額500億円のグループシナジー(イオングループ含む)を創出する。
鶴羽社長は「新生ツルハHDは国内外のお客さまの人生そのものに寄り添う『ライフストア』を目指す。フェーズ1ではグループシナジーを最大化して介護領域・海外事業含めた基盤を構築。フェーズ2で本格的に稼働させる」と述べた。
統合の象徴として、新たなPB「からだとくらしに、+1」を誕生させる。両社がこれまで展開してきたPB商品を廃止・一本化して来春から販売を開始する。また、食品PBについてはイオングループの「トップバリュ」も展開する方針だ。
統合後のグループ商品を管掌する桐澤社長は「これまで同様、ドラッグストアならではの『健康』『より便利』といった付加価値のある商品開発を踏襲しながらも、新PBは今まで以上のプラス1の付加価値をお客さまにご提供したい」とした。
イオンの吉田社長は「新生ツルハHDの成長は、イオングループの事業ポートフォリオの大きな変化となる。新たなドラッグストア像『ライフストア』を目指す上で、今あるイオングループのサプライチェーン、商品、人材など活用できるものはどんどん活用して欲しい。スピード感が重要になる」と強調した。


