気温はまだ高く、天気は変わりやすいが、ようやく秋本番を迎えている。だが、秋の味覚を楽しもうという気にはなりにくい。その一因は食品の価格が高いことだろう。価格転嫁は必要だが、急激な価格上昇は購買意欲の低下、需要の縮小につながりかねない。
▼11月は加工食品の値上げが一息ついたが、食品の価格が前年や平年に比べ高い水準にあることは間違いない。例えばスーパーでの米の平均価格は5㎏当たり4200円強。前年に比べ20%強高い。加工食品は軒並み高い。
▼生鮮食品も安くない。相対的に安価な鶏肉を含む食肉、卵、また、まぐろ、えび、ぶり、さけといった魚介類も平年に比べ高い。野菜の価格は直近では落ち着いてきたものの、玉ねぎ、トマトなどは依然平年を大きく上回る水準にある。
▼食品の価格が高止まりし、節約志向がさらに高まるなか、いかに購買意欲を喚起するか。鍋などの温かいメニューの需要期も本番を迎えている。相対的に安価な食材を使ったメニューなど経済性の視点からも魅力的な提案、需要の底上げにつながる提案が求められる。


