羽田空港でペットボトル水平リサイクルを啓発 飛行場のジオラマで資源循環の流れ説明 全清飲と日本空港ビルデングが協働

 全国清涼飲料連合会(全清飲)と日本空港ビルデングは今年も協働して、年間約8600万人以上が訪れる羽田空港でペットボトル(PET)の水平リサイクル「ボトルtoボトル」を啓発している。

 協働3年目の取り組みとして、10月17日から19日までの3日間、羽田空港第2ターミナル5階フライトデッキ―トーキョーでイベントを実施。

 飲み終えたPETはゴミではなく正しく分別回収すれば再びPETに生まれ変わることをわかりやすく伝えるべく、飛行場のジオラマを設置し資源循環の流れを説明。全清飲と日本空港ビルデング双方からもパネルを展示し、これら展示物に参考にクイズに正答した人にはPET入り飲料を無料配布している。飲料の無料配布は予定本数が無くなり次第終了となる。

全清飲の森本真治専務理事(右)と日本空港ビルデングの髙橋歩常務執行役員サステナビリティ推進室担当(左)大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」も来場
全清飲の森本真治専務理事(右)と日本空港ビルデングの髙橋歩常務執行役員サステナビリティ推進室担当(左)大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」も来場

 17日、会場で取材に応じた全清飲の森本真治専務理事は「日本の空の玄関口でPETの水平リサイクルの啓発活動ができるということが非常に意義深い。この活動をどんどん広げて、ボトルtoボトルの推進をさらに飛躍させてきたい」と意欲をのぞかせる。

 日本空港ビルデングの髙橋歩常務執行役員サステナビリティ推進室担当も「環境方針において限りある資源の有効活用を重点課題としている」と述べ、さらなるリサイクルの推進に意欲を示す。

 日本空港ビルデングでは、2030年にターミナルから出るPETを含めた廃棄物のリサイクル率を現在の約40%から70%に引き上げることを目標に掲げる。
 目標達成に向けて「このような啓発イベントは水平リサイクルの促進や資源循環の強化につながる大切な機会」(髙橋氏)と位置付けている。

PET成形前のプリフォームなどを見て触って理解を深める
PET成形前のプリフォームなどを見て触って理解を深める

 現在、羽田空港内に約390個のリサイクルボックスを設置。ターミナル別内訳は第1が約110個、第2が約140個、第3が約140個となる。

 約390個の約2割にPETが大切な資源であることを伝える啓発POPを掲示。「啓発により異物の混入は減少傾向にある」という。

 2024年は羽田空港内で約25万キロ(500mlPET約1136万本)の使用済みPETを回収。同年10月にはキャップ専用の回収箱も設置し分別回収を強化した。